ゆかちん

ウォンカとチョコレート工場のはじまりのゆかちんのレビュー・感想・評価

3.2
クリスマスシーズンに映画館で観て正解のメルヘンでファンタジーな世界♪
…その中に心の豊かさや人との繋がりの大切さみたいなのを伝えるメッセージがあってよかった。

さすがパディントンの監督・パディントン2の脚本家の作品やなぁというのは、衣装や建物・家具とかアイテムがめちゃくちゃ可愛い〜!!!
観てて自然と眼がキラキラしてもうた。

ウォンカが途中でオープンしたお店のとことか、ワクワクしたし、色彩もデザインも歌もドリーミーで良かった。

ティム・バートンとジョニー・デップの「チャーリーとチョコレート工場」とは、同じロアルド・ダールによる児童小説を元にはしてるけど、別物。

共通するポイントみたいなのはあったかな。
でも、チャーリー〜より1970年代に作られた作品の方に近いみたい。
まあ、それぞれの良さがあるからいいかな。



チョコレートの魔術師ウィリー・ウォンカ(ティモシー・シャラメ)の夢は、一流のチョコレート職人が集まる有名な町に、世界一のチョコレート店を開くこと。これは、亡き母(サリー・ホーキンス)との約束であった。
夢いっぱいで町を訪れたウォンカのチョコレートはまたたく間に評判となるが、町を牛耳る「チョコレート組合」からは、その才能を妬まれ目をつけられてしまう。更に、宿主による詐欺に遭い、多額の借金まで背負うことにーーー。




ウォンカは借金を返すために仕事させられて宿に軟禁状態になるんやけど、そこで出逢う孤児の少女ヌードルたちと共に宿主たちに内緒でチョコレートを作り、売るようになる。
みんなで作戦立ててそれぞれの力を発揮して協力して任務遂行していくの面白かった!


ウォンカの作り出すチョコレートもやけど、ウォンカのカバンの中とか、めちゃワクワクして良かった。
材料もなんとかの涙とか、色々あるんやね。

カバンといえば、ウンパルンパのカバンも良かったな。

チョコレートのお店があったガレリアはイタリアのミラノみたいで素敵やし、
ヌードルの母がいた図書館?はイギリスのオックスフォードみたいで素敵やった。
教会もどこかに似ているのかな。

コミカルなところもパディントンのように小気味よくて、ニコニコしながら見れた。

でも、貧しさとかのシビアな感じはしっかりと。
宿の詐欺や、親を失う孤独も。

ただ、文字が読めなかったウォンカが、最後、母の遺したチョコレートに添えられていたメッセージを読めたというラスト。
ヌードルが教えたのが実を結んだんだなって感じで良かった。

そして、協力してくれた仲間に分けてみんなで食べるところが良かった。

ジョニデver.の作品で、チャーリーは最初からこれしてたよね。チョコレート工場のチョコかって、券は当たらなかったけど、チョコを割って家族に分け与えるシーン。



思ってたよりミュージカルで、思ってたより歌って踊ってた。

ティモシー・シャラメらのキラキラミュージカルだけでなく、チョコレート組合のおじさんたちが歌って踊るやつとかあって、最初は何を見せられてるんやて思ったけど笑、なかなかキュートに見えてきて良かった笑。

ウンパルンパの歌はクセになるし、エンドロールに後日談踏まえてやってくれたの良かった笑。


ウンパルンパ役のヒュー・グラント。
彼の英語の発音は好きなので嬉しい。
オレンジ色の肌で緑色の髪の小人さん。
ヒュー・グラント色々やな笑。
ウォンカにカカオ盗まれたからって追いかけてたけど、なんだかんだでウォンカを助けたりしてて良いやつなとこがいい。
最後も、チョコを回収して、もうウォンカを追わなくていいんだけど、どこか寂しそうな表情。飄々として皮肉屋で、周りのことなんて気にしないって雰囲気出しといて実は寂しがりやみたいな、なんとも言えないいじらしさが良かった笑。
彼がウォンカとチョコレート工場を運営するのは、原作に繋げるためなのかな。


詐欺の宿主役にオリヴィア・コールマン。
いやー、さすがやわ。
歯を剥き出して卑しく、根性悪の感じ。
でも、恋する乙女にもなる可愛げ。
全部同居させながら演じるのはさすが。


神父役にローワン・アトキンソン。
あくまでスパイス的な役割やったけど。
キリンに追いかけられてるとこ良かったな笑。


パディントン1と2でちょこっと出てくる脇役をやって、パディントンとともにエリザベス女王と共演したサイモン・ファーナビーが動物園の警備役で出てた笑。
しかも、最後は電話の相手について伏線回収してたの良き。


ヌードル良かった!子役うまい!
ウォンカに初めてチョコレートをもらって食べた時、喜ぶんではなくて、「食べなければよかった。チョコレートが無い生活に耐えられない」ていうの、なんか切なかったなあ。
そういう発想になるのは悲しいよね。。
最後は自分の出自を知り、母と再会できたのは素晴らしい。

宿に軟禁されて洗濯タダ働きしてた人たちもみんないいキャラしてたな。


そして、ウォンカの母にサリー・ホーキンス。トリッキーだったり、不思議ちゃんだったり、パワフルだったりするのではなく、慎ましく静かに微笑む母。声の高さ、落ち着いて低めに話してたように聞こえた。
ウォンカの回想のシーンもやけど、ウォンカがチョコレートのメッセージを読んだ後、雑踏に現れたときの表情とかめちゃ良かったなぁ。さすがサリー・ホーキンス。

パディントン2ゆかりの人も結構出てたね。


そして、ティモシー・シャラメ。
ピッタリやなぁ〜。
夢をいっぱい抱いてキラキラな夢想野望家。
世間知らずで人を疑わず痛い目に遭う。
でも、心に深い傷はあって、儚さもある。
飄々として無鉄砲で危なっかしいけど、なんか任せたくなる。
めちゃ良かった!
歌もダンスもいいね!
イケメンだけじゃない。

チョコレート組合のおじさんたちや警察側の人達も個性あってよかった。
なかなか悪どいけど。
船に爆弾もエーって感じやけど、売り物のチョコレートで殺そうとするってなー。
もし望み通り死んでたら、そのチョコレートどうすんねや?そのまま使うんか?
そこは残酷さというか毒はあったね。

まあ、大丈夫なんやけど。


悪い人達はちゃんと捕まり、皆それぞれ自分の本来の生活に戻る。
そして、ウォンカはウンパルンパとチョコレート工場を始める…というところで終わる。

これきりで終わるのか、続編を作るのかわからないけど、単独作品として面白かったので良かった。


愛を知り、喪失経験を経ながらも仲間の大切さ、人々の喜びを自分の喜びと知ったティモシーver.ウォンカ、良かった!




ロアルド・ダールといえば、最近Netflixでウェス・アンダーソンが別作品を実写化してたけど。
チャーリーと〜も含め、制作する監督や脚本家が変わるとこうも世界観変わるんやなぁって面白かった!
ゆかちん

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