半変人のお調子者

ウォンカとチョコレート工場のはじまりの半変人のお調子者のレビュー・感想・評価

3.5
『チャーリーとチョコレート工場』の前日譚!…と見せかけて、『夢のチョコレート工場』の前日譚要素の方が強い本作。

夢と希望を武器に、あらゆる手を使って自らを潰しにかかる現実を覆していく展開が爽快ではあるけど、あまりにも胸糞悪くない?
特にチョコに沈められそうになって、必死にもがいてる所を上から覗かれる所とか…そこまで胸糞にする必要あるかな?と思った。その胸糞に見合う程の罰を、あの3人が受けてるわけでもないし…
これは相当な罰があるぞと思ってたら、普通に捕まって終わり。
スクラビットさんももっとなんかあって良いだろ!
そういう毒気の無い所も『夢のチョコレート工場』っぽい。全員マイク・ティービーみたいに日常生活もままならないような罰を喰らえばよかったのに…笑笑

あと、ウォンカがあまりにも最初から何でも出来すぎて、前日譚の意味が無いと思う。
どうしてあんな不思議なお菓子が作れるようになったのかを見せてくれると思ったら、冒頭からメリーポピンズのように帽子から色々出してしまう。いやいや、なんでそんな物を持ってるのよ…一番気になる所が有耶無耶にされて消化不良だった。

ティモシー・シャラメのウォンカはめちゃくちゃハマってたし、初めてチョコを売る所とかチョコを作る所はワクワクするし、母親との約束には感動するし(なんで予告で見せてしまっているのか…)、全体的に面白いっちゃ面白いんだけど、イマイチ突き抜けてくれない映画だった。

なるほど…ウォンカはスクラビットさんにやられた「文字を小さくして人を騙す」という方法を、そのままチョコレート工場の誓約書に取り入れていたのか…
やっぱり『夢のチョコレート工場』の方に話が繋がってるじゃん!!笑

映画評価基準

この映画が好きか 6
没入感 7
脚本 7
演出 8
映像 8
キャスト 10
音楽 8
余韻 6
おすすめ度 6
何度も観たくなるか 5

計71点