紅梅シュプレヒコール

ウォンカとチョコレート工場のはじまりの紅梅シュプレヒコールのレビュー・感想・評価

3.9
児童文学作家ロアルド・ダールの代表作『チャーリーとチョコレート工場』に出てくるウィリー・ウォンカが、チョコレート工場を創設するまでの姿を『パディントン』で知られるポール・キング監督が描き出すオリジナル作品

チョコレートの名店が揃うグルメ・ガレリアで自分の店を持つことを夢見るウォンカだが、裏で商いを支配するチョコ組合の面々に目をつけられてしまい苦戦する事になるという物語です

今作はミュージカル映画の形式をとっており、様々な楽曲が劇中で登場します

どの楽曲もキャッチーなので聴いていて楽しいですし、場面を彩る衣装やセットも魅力的なので映像も見ていて面白い

ただ、作品の内容が割とダークなので、全編通して楽しい気持ちになりきれなかったのが個人的には残念でした

汚職、殺人、詐欺など様々な悪徳に主人公が苦しめられていく様子は見ていて楽しいものではない

チョコも劇中で薬物のような役割をしているので、美味しそうと思うよりも危ない物という感覚にしかならなかったです(鑑賞中『ブレイキング・バッド』のことを思い起こしました)

雰囲気は楽しいのに中身は楽しくないというギャップのせいで、いまいち作品にのめり込めませんでした

それでも先程書いたように音楽と美術は素晴らしいので、観てみる価値は十分あると思います(ヒュー・グラントのウンパルンパの歌がお気に入りです)