メシと映画のK佐藤

ウォンカとチョコレート工場のはじまりのメシと映画のK佐藤のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

原作(正確には時系列的に本作の後の話)は未読。
映画は、ティム・バートン監督版のみ鑑賞。
そんな人間のレビューです。

全体的に可もなく不可も無しで、お行儀の良いファミリー映画であったなぁ…と云うのが、正直な感想です。
家族愛や分かち合う事の大切と喜びを主題にした大変分かり易い物語作りで、誰でも安心して観れるものの、ずば抜けた面白味や驚きの展開は無かったです。
正に無難の言葉が相応しい。
予告編では直接的な前日譚であるかの様に宣伝されていたものの、実際はそんな事無かったです。
バートン版とはミュージカルチックな作りからして全くの別物であるものの、個人的にはお行儀が良過ぎて無難な出来の本作よりは、毒のあるバートン版の方が好みでした。

原作でも謎めいて偏屈な性格の存在と云うウォンカ。
本作では、彼が何故チョコレート工場を作るに至ったのか迄を描いています。
あくまでチョコレートをビジネスとする事の理由のみの描写で、その理由も生き別れた母に再会する為の手段であったと云うものでした。
性格は、少し抜けている部分があるものの、終始ピュアな心の持ち主として描かれています。
上述の通りバートン版とは何ら関係の無い本作ではありますが、バートン版のウォンカの様に奇妙奇天烈で偏屈な人物になってしまった経緯を描いてくれるものと期待していた自分にとっては、肩透かしな内容でした。
チョコレート工場建設に至る迄の動機も、上述の通りなので、正直言って面白みに欠ける。
ここら辺の事も、本作を可もなく不可も無しで無難な出来と評する一因となっています。

全体的に無難ではあるものの最後迄何だかんだで楽しめたのは、やはりキャスト陣の演技に拠るところが大きいかと。
特にウォンカ役のシャラメと、ウンパルンパ役のヒュー・グラント。
シャラメは美しいだけでなく、結構歌えた人なんですね。
ヒューも意外と登場時間は短かったものの、記憶に残る程の存在感を発揮していて素晴らしかった。
あのウンパルンパの歌は、今でも脳内でリフレインする程の中毒性があります…😅

尚、本作が2023年に自分が最後に観た作品(109本目)となりました。