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SNS-少女たちの10日間-のシノのレビュー・感想・評価

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)
4.1
本当に胸糞が悪くて本当に素晴らしいドキュメンタリー映画です。吐き気がします。
モザイクのかけ方が天才的に不気味、顔以外声の加工や部屋も隠さず編集されている所に製作陣の気概を感じます。
きちんと俳優がケアされた状態で行われていたけどそれでもトラウマになる程キツかったと思う、じゃあ実際の誰にも相談ができない立場のローティーンの子供達は?と思うと胸が苦しい。

途中出てきた唯一の清涼剤的男性、少しずつモザイクが取れていく演出に救世主が現れた思いだった。
でもあれが普通なんだよな、あれがスタンダードであって欲しいんだよな。ノットオールメンとは思っているけど10日間2500人近い中で何人その「普通の人」がいただろうか?と思うと男って全員キメェな!と極端に思ってしまう。
でもそれは思うこちらが悪いんじゃなくて思わせるキメェことをする奴が悪いので…とムカムカ。

何百人もの痴漢加害者のカウンセリングをしている人のインタビューを読んだことがあるけど動機を突き詰めると突発的な性欲で動いてるのは少数、大多数は支配欲や達成感でやってるという。今回のゲスどももそういう人が多いでしょう。
実際会う所動悸が止まらなかった、最後直撃インタビューした時加害者が「他にもっとやる事あるだろ」とお手本のような開き直りとトーンポリシングをしていてめちゃくちゃキツかった。この映画で得た素材をチェコ警察に提出しその後何人が検挙できたのでしょうか…。

日本版で作ろうと思っても12歳に見える成人女性は顔立ち的に難しいので無理かなとは思う。あとこういう映画を観る人はそもそもこういう問題に関心がある人だから、肝心の加害者側の豚野郎(劇中より引用)には届かないと思う(そして観ても自分は違うと本気で思ってそう)のが歯痒い。

エンドロールの保護者への注意喚起で「女の子だけじゃなく男の子も被害に遭う」ときちんと書かれていたの、良かった。
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