熊犬

黄龍の村の熊犬のレビュー・感想・評価

黄龍の村(2021年製作の映画)
3.8
【一時間の映画だけど、実質これは一時間半の映画…凄い作りだなコレ!】

夜の街でウェイウェイやってるパリピの男女四人組が、キャンプに行きたいと思いつくところから物語が始まる。早速追加で"二軍"的な四人を呼び、八人で車でキャンプに向かう最中、山の中で車がパンクしてしまう。
電話もつながらず途方に暮れている所、通りがかった親切なおじさんが「明日の朝一でパンクを直してあげるから、今日はうちに泊まりな」と誘いを受ける。そして八人は、ある村の奇妙な風習に巻き込まれていく…
…な映画。

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1時間でサクッと観られる、一発ネタ映画。
まあ前半の定番ホラー設定からの・・・な展開がほぼ全ての映画。
…もうこれでギリギリだわ、これ以上ストーリーについてネタバレ無しでは書きづらい…
というわけで、ここから下は人によっては少しだけネタバレ、ご注意を。極力ネタバレなしのつもりですが、人によってはネタバレと思うかも!








定番の村ものホラーから、後半はジャンルスイッチ…!
この作りでも十分面白いけど、ここまでのプロットなら他に似た感じの物がないわけでもない。
なのに…いや~、本当に、もう、なんというか…感服です!
この映画、力の入れ方が偏り過ぎてて!結果、他には無い凄い作りになっている。(と思う)

前半部分。観る者をある種、呆れさせ、そしてイラつかせつつ、上手く思考が誘導されていく…
そしてジャンルスイッチのタイミングで、今までの思考が一気にひっくり返る!

この映画は短くてサクッと観れるのも良いんだけど、観終わった後もう一回前半部分を観直すと、とても味わい深い…というか、この前半観直しまでを加味して敢えて短く作られている気さえする。
つまり、結果的にちゃんと観ると一時間半の映画ともいえる。

『一時間の映画だけど、一時間半観て初めて成立する』

一回目観ていた時の気持ちが嘘のように、二回目は全てが意図的に作られてる事がよくわかる。
意図的に…というのはまあ、ある特定の人々を馬鹿にする意図に、全力が尽くされてるというか…
後半を知っていると、ほぼ全演出が…ある特定の人々を馬鹿にしすぎてて、めちゃくちゃ面白い!
一周目はあんなに呆れてたのに!二周目で完全に意味合いが変わる!
まったく同じ映像なのに!手品みたいだな。

あと、多少ローバジェットのちゃっちい感じはあるものの、キャラものとしても面白く観られた。特にお兄ちゃんが良き。

とりあえず、作った人パリピが嫌いなんだな~って、思いましたとさ。
未来を担う若者に入れてやれよ…

■本日のビール『Lucky Dragon』
醸造所: 黄桜株式会社 (日本 / 京都)
黄桜と言えば、日本酒…?実はビールも作っています。定番のLuckyシリーズの中に、毎年干支に合わせて作られるビールがあり、今年は辰年のLucky Dragon。日本酒で使われる米を使い、ホップを強調した華やかかつスッキリな印象のビール!
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