アキヒロ

黄龍の村のアキヒロのレビュー・感想・評価

黄龍の村(2021年製作の映画)
3.3
まあまあ面白かった。まさに「隠キャの逆襲」。
このテーマなら乗れる。
「龍切(たつきり)村」とは「断切(たつきり)村」か。
まさに旅人を誘拐して村にとどまらせ、俗世との繋がりを"断ち切る"村という意味なのでは。

中盤以降の展開が「そうきたか」という感じで良かった。
まさに「ハリウッド<週間少年ジャンプ」と言う監督の言葉通り、少年漫画的展開が楽しい。
序盤のパリピ感がウザすぎたので、全員死んでスッキリ!

あまり細かい設定作ってないのかな?とは思ったんですが、
「おびんたわら様」を考察するなら、
愛知県の田原市に「ごひん様」という妖怪・神の一種がいる。
元々、沿岸部の漁火現象を「御火様(ごひさま)」と祀っていたのが訛って「ごひん様」になったと思われるが、現在は漢字で「御賓様」とも書くらしい。
田原の「御賓様」で「御賓田原様」となり、それを「おびんたわら様」と読ませているのではないか。
ただ、「ごひん様」に人肉を奉納する儀礼があったかは知らない。

マイナス面を言えば、やや画づらが貧相。
後、村の描写が「こういう悪習の村って怖いよね」というパターン化されてて深みがなかった。
村の掟や因習を聞かれた村長が「そういう決まりやからや」と説明を放棄させずに、何らかの「人肉奉納に至った由来・縁起」を作り込めていれば、さらに良かったと思う。

ただ、この「人肉を食う」というテーマは特に真新しくない。
ディズニーチャンネルの『ガンニバル』の出来が良すぎて、そっちに比べると陰る。(まあ中盤以降の展開はオリジナリティーはあるが…)
もう少しアクションシーン以外にも注力してほしい。
アキヒロ

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