夜行列車に乗ったカリート

黄龍の村の夜行列車に乗ったカリートのネタバレレビュー・内容・結末

黄龍の村(2021年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

「ベイビーわるきゅーれ」の阪元監督。
若者が若者ノリでシチュエーション殺害されるけど主旨はそこではなかった、という映画。

この作品、苦手な部類でした。
「実は復讐モノのアクション映画でした」とか、そんな事はどうでもいいレベルで、演技と演出の方向性が好きではなかったです。

いわゆる若者っぽい軽いノリの台詞がやり取りされるんですが、「若者はこんな感じのイケイケノリノリゴーゴーでしょ」、というような軽すぎる会話劇が最後まで続きます。

登場する学生だけでなく村人までもがそんな調子で、日本人のこと知らねぇのかって人が撮ったレベル。

劇中の台詞はこんな感じ。

「復讐しに来たぜ~」

「肺に穴空いてますねー、もうすぐ死にますよー」

「でどうするー、今からお前ら村人全員殺すつもりだけど」

「よう分からん中国拳法使う女と、よう分からん日本刀使うおっさんがいるんで注意して。手こずりそうやったら僕が殺しちゃうんで」

…こんな緊迫した状況でこんな台詞吐く日本人いねえだろ。外人の傭兵部隊かよ。

「終わってからの酒がうめえだろうなー」
→村人複数人をポコポコして倒す
→村人「ううぅー…」
→主人公、テクテクテク…
…いやまだ生きとるぞ。皆殺しじゃないのか。

でも、まぁ台詞は最悪いいですよ。軽いコメディ感を演出したかったんだと思えば、その意図はまだ分かります。ただその流れのままで人を殺したりするんで、悪ノリが過ぎて内容が目に余る。

映画作品で、ライトな演出そのものは別に悪いことではないですよ。それで面白い作品も沢山あるわけだし。
ただそんなイメージを出したいなら、もっと笑える会話劇や小ネタ要素をもっと入れるべきでした。
変に台詞が気取ってるもんだから笑えない。さらに格闘それ自体は真面目に撮ってるから、笑っていいのかどうかもよく分からない。
「人を殺す」という行為も軽くて、報復心を感じない。

シリアスなアクション劇なのかコメディタッチなのかハッキリせず、どちらにも振れてなくて中途半端に映ります。
最初に作品の軸となるイメージを決めてから、撮った方が良かったと思います。