CINEMASA

K.G.F:CHAPTER 2のCINEMASAのレビュー・感想・評価

K.G.F:CHAPTER 2(2022年製作の映画)
4.0
 前編を僕は大いに酷評した。全然にダメだった。ナレーションに継ぐナレーションで展開していくのだけれど、字幕を追っていくので精一杯で、画が頭に入って来ない語り口。暴力アクション映画であっても歌とダンスはあるというアンバランスさ。全編で乱打されるアクション・シーンの全てが、細切れのブツブツ編集で、パンチもキックも武器も、全然に肉体に当たっていないという段取り演出。どれもこれもが性に合わなかった。挙句、「これから物語は佳境に入ります!」という着地点……

 「2時間半以上もかけて、区切りどころがコレか? エエ加減にせえよ……!!」と憤慨すらした程だ。

 しかし、後編は嘘みたいに面白く観た。アクションは相変わらずのガチャガチャ編集だが、流れがしっかりと判るものになっている。鬱陶しかったナレーションも殆ど無く、ひたすらに<ロッキー>の闘いが連綿と描かれ、小気味も良い。ダンスシーン&歌唱シーンも有るが、ラブ・パートで女性が舞い歌うという自然なもの。バイオレンスに次ぐバイオレンスは『マッドマックス』シリーズを髣髴とさせる熱さで最後まで見せ切ってくれる。

 「こりゃあ大ヒットもするわ」と。前編の弛緩振りとは比べ物にならないほど上出来なアクション大河ドラマに仕上がっていた。

 尚、エンドロールの途中で1シーン有り。続編の存在を仄めかしているが、実際に製作中であるらしく、インドでは2025年に公開予定だ。これは楽しみ!
CINEMASA

CINEMASA