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ランド/再生の地のmaverickのレビュー・感想・評価

ランド/再生の地(2021年製作の映画)
4.0
2021年のアメリカ映画。主演も務めたロビン・ライトの初監督作品。


都会での暮らしを捨て、雄大なロッキー山脈の山小屋で生きる女性が主人公。人との関りを絶つために山に籠るも、険しい大自然が彼女の安住を阻む。

これは主人公の再生を描く物語。とあるきっかけで彼女は人生に絶望するが、そこから立ち直るのもまた同様。ある出来事をきっかけとして、生きる力を取り戻す。自然は過酷だが、それが主人公の再生を手助けもする。生きるとは時に過酷だ。大自然の中で主人公は己を見つめ直す。もう誰とも関わらないと決めたが、心地よく寄り添える相手も現れる。雄大なロッキー山脈の風景と相まって、主人公が緩やかに立ち直る姿には美しさがあった。

主人公を演じたロビン・ライトも良かったが、それ以上に目を引くのが共演のデミアン・ビチルの演技。自然体でいて深みがある。主人公が立ち直るきっかけとなる人物で、作品上でも特に目立っていた。

美しい面ばかりでなく、時に過酷なのは人生も同じ。自然の中で生きることと同じように、生きる術を持つことも大切だと思う。社会に順応し、それに寄り添うことも大事。嵐が来ても、またすぐに穏やかな天候に回復する。傷を負ったら回復するまで休めばいい。時に身を任せ、それを運命と受け入れることも必要。監督が言いたいことは、そういうことなのだろう。


淡々としすぎる時間もあるが、最後はぐっとくる。初監督作としては上々の出来。彼女が監督する次回作も是非観たい。
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