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あいつと私のyassi1000rrのレビュー・感想・評価

あいつと私(1961年製作の映画)
4.3
昭和までのボンボンが好きだ。いまではあからさまにする事が憚られている日本の階級社会を見せびらかすかのような存在だから。白洲次郎のボンボンエピソードとかゾクゾクする。作中でもベンツに乗った学生と、農家のニ、三男坊だろうという土木の人夫との衝突が描かれる。本質の階級社会ではなくて、成金二世の行きすぎた選民思想という見方もできる。
この時代の学生や日本人像の発展途上国っぽさというか白ブリーフっぽさの現れとして「セックス」に対する卑屈さものすごく不思議。太平洋戦争がそうさせたのか。なんでこんなにセックスに対して後向きな一億総深夜ラジオ状態なのか。
それを突破できるのは富裕層だけよって言いたいのか。固定概念取っ払おうぜ'60s!なのか。ママの「あたしの申し上げる意味、わかってくださいますわねケイコさん」が怖すぎた。そしてパパが補完する家庭というバランス感覚も時代の先駆けに思える。
話は変わり、裕ちゃんの魅力がずっとわからないまま子供時代を過ごした。既に亡くなっていたけど、残り香が凄く残ってて、周りの大人が褒めてるのが不思議だった。イケメンではないよね、という。
いまでは裕ちゃんは背が高くてカッコイイし、やっぱりスターだなと思う。
安保デモの晩にテンション上がった友達を追いかけ、祭りのような群衆より一回りデカい裕ちゃん。ボコられた友達の流血をとめるために破いた、高そうなドレスシャツ。だからデモの勢いで昂った学生にレイプされた女の子の前で片チクビ丸出しで真顔でいても絵になる。
そして芦川いづみの魅力。カワイイ!裕ちゃんに乱暴に扱われてる時のカワイさ。
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