エイデン

オキシジェンのエイデンのレビュー・感想・評価

オキシジェン(2021年製作の映画)
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赤いランプが点滅を繰り返す暗い空間で1人の女性が目を覚ます
自分の名前を含め、一切の記憶を無くしている彼女は、全身を包む包帯のようなものを剥がし拘束ベルトを外すと、頭や腕が装置に繋がれたまま狭い箱のような場所にいることに気付く
それも取り外し女性が助けを呼ぶと、突然 照明が付き、目の前に映像が映し出される
そこから語りかけて来たのは“ミロ”と名乗る医療インターフェースだった
ミロは酸素残量が35%になっていると警告し、女性の質問に極低温保存が解かれた状態だと答える
防護服の人物に運ばれている様子がフラッシュバックし、ここが病院の医療ポッドの中であると確信する
しかし医療スタッフからの助けは無い
混乱しながらミロに自分の名前を尋ねるも、“オミクロン267”としか登録されていなかった
また診療データも見ることができず、ポッドを開くには認証コードが無ければならないという
電話回線も使えなかったが、彼女は音声データ送信を利用して警察に通報することに成功する
何とか通報を信じてもらうものの、なかなか居場所の特定には至らない
手がかりを探してポッドの内部を探してみると、“クリオザリド社”のロゴと製造番号を発見、それを伝えてみるも特定は難航し、回線の不具合で電話は切れてしまう
パニックに襲われながらも記憶の断片をフラッシュバックするが、何の手がかりにも繋がらない
しばらくすると科学技術部のモロー警部から再度電話が掛かる
警察も救出のために動き始めるものの、依然 自分の居場所も何も分からなかった
そこで自身のDNA情報をミロに検索させてみたところ、自分の正体が博士号を持つ研究者リズだとわかる
しかし酸素残量から計算して残された時間は43分
果たしてリズは何故ここにいるのか、ここから脱出できるのか



アレクサンドル・アジャ監督のSFサバイバル映画

目覚めたら見知らぬどこか、なんていうシチュエーション・スリラーでもあるけど、生命もメンタルもしっかり殺しにかかってくる展開がかなりハード

消えた記憶、脱出不可能な医療ポッドに消えゆく酸素(オキシジェン)
この手のジャンル映画らしい絶望的なスリルも十分すぎるほど摂取できる
また唯一の希望であるミロをはじめ想像以上にSFな世界観が上手く、普通は展開途中で中だるみしそうなところも、予想を超える展開の仕方で楽しませてくれる

主人公リズも苦悩を通して生へ向き合うエネルギッシュな魅せ方
そして怒涛の展開の果てにあるラストも深く壮大で、SF映画としての完成度も高い
観ましょう
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