APACHE

とんびのAPACHEのレビュー・感想・評価

とんび(2022年製作の映画)
4.1
【とんび】感想

Amazonprimeで鑑賞🎞

昭和37年、瀬戸内海に面した備後市。運送業者のヤスは愛妻の妊娠に嬉しさを隠しきれず、姉貴分のたえ子や幼なじみの照雲に茶化される日々を過ごしていた。幼い頃に両親と離別したヤスにとって、自分の家庭を築くことはこの上ない幸せだった。やがて息子のアキラが誕生し、周囲は「とんびが鷹を生んだ」と騒ぎ立てる。ところがそんな矢先、妻が事故で他界してしまい、父子2人の生活が始まる。親の愛を知らぬまま父になったヤスは仲間たちに支えられながら、不器用にも息子を愛し育て続ける。そしてある日、誰も語ろうとしない母の死の真相を知りたがるアキラに、ヤスは大きな嘘をつく。

直木賞作家・重松清のベストセラー小説の実写映画化。幾度途切れても必ずつながる親子の絆を描き出す心温まる人間ドラマ。

平凡ではないけど、特筆して波乱に満ちている訳ではなく、奥さんとの悲劇の死別を除けば、誰一人不幸になることもない、とても優しい話がストレートに伝わるベタな人情物のThe邦画を久しぶりに観た。

昭和の香りがプンプンの実話を元に、子どもから大人まで楽しめる作品で優しい人しか出てこない(笑)

捻りとかはあまりない展開で先が読めるけれど、登場人物の古き良き昭和感、お金ではなく、家族や周りの人を愛することを純粋に追求して、そこには人の上下もなく、本当の人間賛歌と幸せの本質があった昭和の時代が描かれている。

キャストも最高の布陣。
不器用で愛情いっぱいのヤスを阿部寛。
いつもそばに寄り添う安田顕の照雲と、名言を連発する麿赤兒の海雲和尚親子。
めっちゃええ味を出す宇梶剛さんの勝ち気な昭和の社長役。
そして、薬師丸ひろ子に人の好いオバサンを演じさせれば日本随一‼︎

でも、後半で登場の広沢役の濱田岳ちゃんが凄い勢いでええとこを持っていく(笑)

昭和って本当にパワーあるなと、つくづく感じることができた作品でした。

ゆずの主題歌【風信子】ってタイトル。
『かぜのぶこ』じゃなくて『ヒヤシンス』って読むんやな...知らんけど。
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