けーすけ

明日への地図を探してのけーすけのレビュー・感想・評価

明日への地図を探して(2020年製作の映画)
4.2
17歳の高校生・マークはいつからか同じ日を繰り返す“タイムループ”に陥っていた。同じ毎日の生活にも慣れてしまい、街で起きる小さな出来事も全て記憶するほどになっていた。そんなある日、同じはずの“毎日”に突如乱入者が現れた。そのマーガレットという女の子もマーク同様にタイムループをしていたのであった。二人はタイムループの原因を探り始めるが、マーガレットはマークに打ち明けられない秘密を抱えてもいた・・・





はい!みんな大好きタイムループもの!!
同じくタイムループな『パーム・スプリングス』も先日劇場公開されましたが、こちらはアマプラオリジナル。めっちゃ良かった。これを先に観てたら『パーム・スプリングス』の評価が若干下がってたかも。



冒頭からマークが何度もタイムループを繰り返しており“その日”に完全に慣れきっているという事を長回しでわかりやすく見せる所から一気に引き込まれました。

タイムループもののベタな設定で目新しさは無いものの、マークと出会ったマーガレットの青春恋愛を含めつつ描かれております。
暴力や下ネタ、エロティックな表現は一切ナシ!様々な死に方で起点に戻るといったお約束(?)も無いというピュアさ。
下手したらつまらない内容になりそうなのだけど、マークの明るいキャラ、マーガレットのキュートな雰囲気と少し謎めいた部分、そして二人のコミカルなやり取り、映画やドラマといった様々な小ネタ、絶妙な音楽によってとてもよく仕上げられております。



マークはタイムループの原因には街の中のあちこちで起きている小さな“奇跡”に何かヒントがあるんじゃないか?と想像し、ピアノの上手な清掃人、スケボー上手な少年などを探していた。そこにマーガレットが加わり、二人で街を探索するさながらデートムービーのような演出も。これが見ていてキュンキュンなっちゃう。ああ尊い。

あと、マーガレットもそれなりにタイムループ繰り返しているはずなのに、車の運転がめっちゃ下手!ってのが笑えるポイント。

また、マークの親友・ヘンリーという人物がおり、ひたすらにゲームをしているオタクなのだけど、ずっと攻略できずに毎回同じ事を繰り返しているというのもタイムループのメタファーとして印象深かったところ。



もはや最近のタイムループ映画ではお約束なのか、ビル・マーレイの『恋はデジャヴ』に言及したり、映画『バンデットQ(Time Bandits)』やドラマ『ドクター・フー』といったワードも出てきて、こちらは見た事ないので気になってしまった。

また『スター・ウォーズ』ネタもちょろっとあり、ダースベイダーとヨーダの真似や、マークが着てるTシャツが“マーク・ハミル”だったり、迷い犬(めちゃ可愛い!)の名前が“チューバッカ”などクスっとできる所もよかった。(他にネタ気づいた人いたら教えてください!)



基本的にマークの視点で物語は進むのですが、後半にマーガレット視点での話に切り替わるというのも良かった。仕掛けとしては予想できる部分だったのですが、それでも「そうだよなあ・・・」と泣けたところ。
設定とか色々と使い回された感は否めないけど、演出と役者で良いものになると示している気がします。



マーク役のカイル・アレン。まだ出演作はそれほど無いようですが、爽やかイケメンで演技も良い!今後要チェックの俳優となりました。

そしてヒロインであるマーガレット役のキャスリン・ニュートン。これまた先日公開された『ザ・スイッチ』で殺人鬼と入れ替わってましたが、その前にこんなタイムループに巻き込まれていたとは(違
どこにでもいるような女の子を自然に演じており、これまた今後要注目の女優の一人です。



これが映画館でやってて観られてたらもっと評価高かったかも。タイムループものの映画で大好きなものがまた一つ加わりました。アマプラでもあまり宣伝されていないようで、隠れた名作になりそう。オススメです。



2021/04/14(水) Amazonプライムビデオにて鑑賞。
[2021-036]
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