このレビューはネタバレを含みます
人間はみんな生まれた時は純粋無垢な存在。
そこから、何を経験し、何を感じるかで、人生は変わっていく。
自分の良心に従って生きることが、正解なのではないかとこの歳になって特にそう思う。
損得や、見栄えよりも、自分の心にしこりがなく、気持ちよく過ごせることが、何よりの幸せなんじゃないかと思う。
ピノキオが時計を壊せない、何故だか良くないことだと思って。というシーンがある。
よく、映画の中で爆破シーンや破壊シーンを見るたびにスカッとするとか、やってみたいとかいう意見も聞くのだけど、わたしはとても心が痛くて、もったいないとか、誰かが作ったものだとか、誰が片付ける、とか、そういうことを考えていつも楽しめなかった。
そういう自分がつまらないな、とも思ったけど、やっぱり「モノは大切にしたい」という根底にある気持ちに嘘はつけない。
最後がふわっとしているところも良かった。
ピノキオが涙を流したら人間になり、星に願いをが流れたら、それは感動的なシーンになったと思う。
だけど、おじいさんの「変わってほしいところなんて一つもない」という言葉こそが宝物でピノキオの心を動かすメッセージだったと思う。
人は皆、こうなりたい、こうありたい、と思うけど、なかなか理想通りにはいかない。
だけど、1番愛する人がありのままを認めて愛してくれたら…？
なりたい自分になるよりも、幸せなことかも知れない。
今の自分で、どれだけ努力するか。
実直であることの素敵さを思い出させてくれたと思います。
出てくるキャラクターがみんな魅力的で、今まで、なんとなくデザインや外見だけで愛していたけど、これからはもっと楽しく見られると思う。
