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ピノキオのYのレビュー・感想・評価

ピノキオ(2022年製作の映画)
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ゼペットさんが登場した途端
トム・ハンクスだった安心感と愛着と
切なさとあたたかさが入り混じった
不思議な気持ちが溢れた。

ピノキオがかわいいだけでなく
何をするにも脆さや危なっかしさがあって
愛す以外無かった。

特にゼペットさんが初めてピノキオを
学校へ送り出すシーンで
自分でも戸惑うほど涙が溢れた。

ゼペットさんがピノキオをどれだけ
大事に思ってどれだけ心配しているか、
ひとときでもピノキオと離れるのが
どれだけ寂しくて、また帰ってきてから
一緒に過ごす時間をどれほど
待ち遠しく思っているのか
表情と言葉の演技で伝わりすぎるほど
伝わった。

自分がおばあちゃんと一緒に暮らしていた
こともあって、
私が初めて小学校へ1人で向かった日、
おばあちゃんが家の前で見送ってくれて、
夕方帰ってきてから
「一回も振り返らなかったね」と
言ったあの日のことを思い出して
ピノキオ側だった私が歳を重ねて
着実におばあちゃんやゼペットさん側へ
向かっていることにも気づいた。

こんな風に私のこと心配してくれてたのかな
こんなことを思って待っていてくれてたのかな
なんて想像したら、ありがたい気持ちと
ちょっとごめんなさいって思う気持ちと
入り乱れて涙になっちゃった。

映画って、自分とは関係のない
キャラクターの世界を見ているようで、
忘れていた自分の人生を思い出すきっかけに
なることもあるんだね。
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