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ピノキオのhayanomidoriのレビュー・感想・評価

ピノキオ(2022年製作の映画)
5.0
2022年版ピノキオ。
主演トム・ハンクス。・・・なのですが、本当の主演はピノキオの声優(英語版ならベンジャミン・エヴァン・エインズワース。他、各国語音声それぞれにその国の声優が担当したバージョンが国の数だけある)。観終わって気付くとトム・ハンクスは助演です。

トム・ハンクス演じる時計職人のゼペット爺さんは、命を宿したピノキオの誕生を喜び、しきりに「 "ほぼ"本物の息子」と言い、「ほぼ本物」という単語をしつこいぐらい繰り返し、ピノキオは微妙に喜べません。

この「ほぼ本物」と「本物」の近くて遠い意味合いを始めとして、ピノキオが冒険中に嘘をつくシーンで「本当の嘘」や「本当の本当」や「良心から言った嘘」など、それぞれの嘘の違いをしつこく確認する会話劇が展開されます。

最後の最後にオチでもまた、どれが本物の本当なのかを問う終わり方をします。

2020年代を迎えた現代なりの「本物」や「善悪」や「良心」を深く問い掛ける作品です。

それはそうと。
現代なりに進化したピノキオの活躍も楽しいです。
自分の木製の足をこすって火を起こすピノキオも新しいし、海でピンチを救うべく足と靴を高速回転させて大型船より速いモーターボートのエンジンになるのがカッコイイ。

このまま順調に進化したら10年後のピノキオはロケットエンジンになってブラックホールを突っ切ったりしてそう。
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