社会のダストダス

あなたに出逢ったアイルランド/ファインディング・ユー あなたに逢えてよかったの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

3.7
堅物なヒロインが軟派なスター俳優と偶然知り合い恋に落ちる、、、というあらすじだけで、もう話の大半は予想できないでしょうか?大体その通りの映画です。

てっきりNetflixオリジナル作品なのかと思っていたし、実際ネトフリオリジナルによくある感じの作品なのだけど、個人的には最近、この手のハートフォーミング系が気軽に観られて丁度いい。Filmarksの似ている作品欄に表示されているネトフリ映画『ラブ&ジェラート』の舞台をアイルランドに変えただけのような作品。知ってるキャストはほぼいなかったけど、逆にそのおかげでノイズなく、このテンプレートなお話を最後まで楽しむことが出来たのかも。

大体この手のスターと恋に落ちる系のロマコメは、最初は主役二人の第一印象が良く無くて、そこから段々距離を縮めていき、結ばれる寸前まで行くと何かの行き違いで喧嘩して、最終的には困難を乗り越えハッピーエンドという流れで進んでいくもの。9割くらいはそんな予想通りの展開でも、なんか良い話だったなという一定の満足感が得られたので、分かり易さって大事なのだと知った。

ファンタジー作品のロケーションとしてよく使われるアイルランドの景勝地の大自然は壮大。ヒロインの相手役が映画撮影のために訪れているハリウッドスターということもあり、映画撮影のちょっとしたメイキング映像を観ているような楽しみもある。CG加工される前のドラゴンは頭だけのマネキン、そういえばMCUのサノスも撮影ではジョシュ・ブローリンの上からカカシが生えてて絵面がマヌケだった。

主演のローズ・リードの素朴だけど洗練されたカジュアルな装いがとても良かった。取りあえず映画を観ているときに画面に映った美女は検索しないと死んでしまう病なので、見てみるとどうやら脚本家としてキャリアをスタートさせた人らしい。相手役のジュディディア・グッドエイカー(嚙みそうな名前)はやはり全く知らない人だけど、スター俳優という役柄のモデルは、ゲースロやハリポタシリーズ、あるいはMCUなどで無名俳優から出世したもののキャラクターイメージの定着に悩む人たちと考えると結構興味深い。

基本はロマコメの王道に沿ったシンプルなストーリーなのだけど、それだけだといささか長めな2時間の尺がある。挫折を味わったバイオリニストとキャリアに行き詰ったスター俳優という以外にも現地人とのサブストーリーが多い。おかげでアイルランドのいろんな場所に行くことになるが、それぞれのエピソードも意外性が全くないのは流石にどうかと思った。まあ、でもいいか、予定調和万歳。

願わくはバイオリンとフィドルの違いをもう少し知りたかったか。(→いま弾いているのはバイオリンなの?フィドルなの?…別にどっちでもいいか)