エイプリル

あなたに出逢ったアイルランド/ファインディング・ユー あなたに逢えてよかったのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

冒頭からテンポが早く、非常に見やすさを感じました。なにこれ?ってくらい異様なくらい見やすいです。
ベケットとフィンリーの関係性の深まりを中心に進んでいくんですが、ベケットがあまりにも良い奴すぎて、フィンリーがなんでそこまでトゲトゲするのか分からずベケットかわいそうでした。割と終盤までフィンリーがベケット本人の言い分よりもゴシップ誌に書いてることを信じてるっぽくてちょっと嫌だったな…という感じです。

前半はベケットがフィンリーを変え、後半はフィンリーがベケットを変えるという二段構えになっています。前半はアイルランドでの新しいスタートが美しく、ぐいぐいベケットがフィンリーを引っ張っていくので面白かったです。その分、ベケットに比べるとフィンリーはちょっとウジウジしがちなので、後半にペースダウンしてしまうのはちょっと残念でした。
後半はベケットの得意の行動力も封印されてる感じだったのと、どうしていきなり父親の肩を持ったのかよく分からなくて物語の展開的に二人を一時的に別離させるためにベケットの人格が変わったみたいで嫌でした。

悪いことを多めに書きましたが、作品としてはかなり綺麗で面白いです。「連れ出してくれる誰か」がテーマだと思うのですが、このテーマは二人にとどまらず、フィンリーがボランティア先の姉妹を変えたり、フェイマスがフィンリーを変えたり、作中で常に誰かが誰かに影響を与え続けており、副題の「あなたに逢えてよかった」がさまざまな関係性にかかっています。
「友達でいよう」とお互いに宣言しつつのキスも相当おしゃれで良かったですし、伏線回収もしっかりしています。ただ、兄が描いた絵の場所についても姉妹の和解についてもベケットと婚約者との破局についても結構ついでみたいにサラッと回収していくので拍子抜けな感じもありましたが、でもまあそれが見やすさに繋がってる感じもするので良いか!って感じです。

エンディング含めて予定調和で進んでいくので驚きはありませんでしたが、出てくる人たちに良い人が多くて見ていて楽しくなれる映画でした。誰にでもお勧めできる良い作品だと思いました。
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