アフガニスタン人が自らカブールのリアルを撮った、自主制作映画。登場人物の多くは現地採用らしく、撮影中のトラブルも少なくなかったようだ。
そのため、作品のリアリティは素晴らしく、何度も主人公のミナに感情移入、応援をしたくなった。そして、アフガニスタンに残る女性にとって厳しい現実(男権社会、家父長制、公衆衛生の不備、教育システムの不備)などが浮き彫りになっていた。
しかし、本作の白眉はむしろこの状況に希望を見いだそうとする(見いだした)ミナ自身と、その描き方ではないだろうか。女性にとって絶望的なターリバン政権が終わり、厳しいながらも外に出られるようになった女性たちは、少しずつでも逞しく生きていくのだろう。そんな希望が感じられる、良作だった。