エイデン

ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカットのエイデンのレビュー・感想・評価

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“ゴッサム・シティ”を舞台にした激しい戦いの末、地球最強のヒーロー“スーパーマン”ことクラーク・ケントは命を落とす
それと同時期に、地球に隠された凄まじいエネルギーを持つ3つの物体“マザーボックス”が反応を見せるのだった
それからしばらくして、“バットマン”としてスーパーマンと共に戦った大富豪ブルース・ウェインは、北部にある小さな漁村へとやって来る
ブルースはこの地に伝わる、海からやって来るという伝説の男を世界を守るチームに迎えたいと考えていた
酒場で村民たちにその話をしても笑われるだけだったが、ブルースはその1人アーサー・カリーこそが海の守護神として人知れず人々を守っていた“アクアマン”だと見抜く
スーパーマン亡き後、襲い来る脅威から人々を守るため、超人を集め団結して立ち向かおうと考えるブルースだったが、アーサーにその言葉は届かない
だがブルースの懸念の通り、スーパーマンを失った影響は大きく、スーパーマンの育ての母マーサ・ケントや“デイリー・プラネット紙”に勤める恋人ロイス・レインら悲しみに暮れる人々に対し、大規模な犯罪も横行していく
街の中心部でも爆弾テロが発生するが、それを止めたのは神の血を引く“アマゾン族”の戦士でブルースの協力者ダイアナ・プリンス(“ワンダーウーマン”)だった
その頃、彼女の故郷である“セミッシラ”では、長らく封印されていたマザーボックスを狙い、宇宙からの侵略者ステッペンウルフと、彼の操る“パラデーモン”の軍隊に襲撃を受ける
ダイアナの母であるアマゾンのヒッポリタ女王や戦士たちが応戦するも、ステッペンウルフは大暗黒時代の到来を告げ、マザーボックスを奪い去るのだった
ヒッポリタ女王はステッペンウルフが人間の世界へ残りのマザーボックスを求めて向かったと考え、新たな脅威を娘のダイアナに伝える
それを知ったダイアナは、古代の神殿から遥か昔マザーボックスを狙って地球へ訪れた“ダークサイド”という強大な存在に気付く
ダイアナはブルースと協力し、残る超人たちを集め、団結してダークサイドに立ち向かう決意
その後2人は、事故で瀕死の重症を負ったものの“S.T.A.R.ラボ”のサイラス・ストーン博士によりマザーボックスの力で半分機械の“サイボーグ”として復活を遂げた息子ビクター、“セントラル・シティ”に現れた超高速で移動する能力を持った“メタヒューマン”バリー・アレン(“フラッシュ”)の勧誘へと向かう
スーパーマンという最強のヒーロー不在の中、果たして彼らは団結し世界を救うことができるのか



DCエクステンデッド・ユニバース5作目『ジャスティス・リーグ』のディレクターズ・カット版

本作の製作と公開はマジで夢だった
元を辿れば『ジャスティス・リーグ』製作時、監督のザック・スナイダーが娘を失ってプロジェクトから離れてしまい、残りの製作を『アベンジャーズ』のジョス・ウェドンが引き継いだのだった
結局 ジョス・ウェドンが、本来のザック・スナイダーが目指した世界観を壊す形になってしまい映画自体も大コケ
そこでファン達が延々とザック・スナイダーが本来作りたかった『ジャスティス・リーグ』を観たいと声を上げたことで、4年の歳月を経て製作・公開されたのが本作

元の『ジャスティス・リーグ』からジョス・ウェドンが追加撮影したシーンを削除し、未公開および追加撮影シーンを追加
結果 元々120分に対して242分という特大ボリュームの作品に仕上がった

改めてザック・スナイダーは、ヒーロー映画という神話を作ろうとしていると実感した
各キャラクターの人間性を掘り下げながらも、世界を救う存在(ヒーロー)を独自に再解釈していく
人間、神々、超科学、時間、宇宙など、作中の世界は縦横無尽に広がり、たった1作の中で壮大なスケールを描き出す

またストーリーではオリジナル版では無かった続編への繋がりも示唆
メインヴィランだったステッペンウルフの主人で、スーパーマンの宿敵ダークサイドも登場する
作中では圧倒的な力を見せるヒーロー達をも凌駕するような強敵感を見せてくれる
更にオリジナル版でも僅かに見えていたスーパーマンが悪に染まる闇の未来も具体的に描かれる
様々なキャラクターや世界が複雑に絡み合い、今後のシリーズの期待感に昇華されていく

ややこぢんまりしていたオリジナル版を壮大なスケールで神話として拡張するザック・スナイダーの見ていた世界は見事
ライバルでもあるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)とは全く異なるダークで重厚な世界観は面白い
これが結局 頓挫してしまった残念さも同時に煽られてしまうものの、コンテンツが持つパワーは十分すぎるほど感じられる
現状日本ではU-NEXTかソフトを買うしか観る方法が無いけど、是非一度観てみてほしい
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