レオン

パーフェクト・ケアのレオンのレビュー・感想・評価

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)
3.9
久々に今までにないパターンの好作品。
「悪」に「悪」がからんで、「善」は出て来なく、尚主人公にも共感出来ないという設定がユニークで面白い。
後から出てくる「悪」に、いいぞ!反撃しろ!と見る者が応援したくなる様な脚本もうまい。
原題「I Care a Lot」(沢山、面倒みます)は別の意味での 沢山 だろう、とブラックジョークを含んでいるかと。

極悪介護ビジネスという、描き方によればかなり陰湿になってしまう物語を、主人公のファッションや綺麗な事務所、そこそこ儲けている成功者という設定で、作品全体をオシャレに見せているところが今風。
ジムでのトレーニングシーンも暗室に照明の最新描写や、本物組織に護身器具だけでの反撃も斬新。

そして怖い物知らずの主人公に敵も運も味方し、大成功して巨万の富を・・。 だが人生は・・・。

ロザムンドは「サロゲート」を見た時から、知的美人で気になっていた女優さんだが、こういう個性の強い役を得てようやく評価されたと思う。
体の小さいディンクレイジは、こんなに演技が出来る人とは知らずビックリ。 下手な巨漢よりよっぽど威圧感があり不気味な味を出してる。 

上記二人以上にダイアン・ウィーストが、普通の上品なお婆ちゃんを、台詞一つで違う人物に豹変出来るうまさを見せて、さすがアカデミー助演に2度も輝いている演者だと感心。(施設で座りながらロザムンドとの会話シーン)

現代の福祉問題の闇にサスペンスをうまく振り掛けたニュータイプの鋭い作品。 映画ファンなら必見♪
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