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こぼれる記憶の海でのクリームのレビュー・感想・評価

こぼれる記憶の海で(2020年製作の映画)
3.7
オリヴィア·クックの耐える姿は、堪らない。この人の演技好きなのだけど、こう言う不幸に立ち向かう系が一番似合う。内容は、普通。主演2人が良いので、楽しめた感じ。良く似た記憶を失うSF作品では『林檎とポラロイド』の方が面白かった。
記憶を破壊するウイルスが突如出現し、世界は未曽有の混乱に陥っていた。そんな状況下で、愛を貫こうとするエマとジュードの姿を描く、SFラブストーリー。




ネタバレ↓




あの日は悲しかった、理由は覚えてない。冒頭がネタバレなので、ちょっと勿体ない作品。だけど、2人がどうやって記憶を失って行ったのかが描かれていて、ラストにそうだったのか。とスッキリする。
先に記憶を失い始めたのは、ジュードで、彼の記憶を繋ぎ止めようと、エマは、臨床実験の対象に応募したり、脳の勉強をしたりします。終盤では獣医師であるエマがジュードの手術を試みる。これは、正直お粗末だったが面白かった。YouTubeみたいなので、針を突き刺す位置を確認して、麻酔も撃たずに上顎から脳に向かって長い針を突き刺す。それが手術って…。効くわけない。案の定失敗。その内、実はエマも発症していたと言うオチだった。そして、2人ともお互いが解らなくなって行く。大半がエマ目線で、 愛する人から自分が消えてしまう恐怖、悲しみ、喪失感を切なく美しく表現している。
ラスト、2人で海にやって来て、カメラで撮影していて突然、エマが解らなくなるジュード。キツイなと思っていたら、エマも飼い犬ブルーの事が解らなくなっていた。
1人だけ記憶が残っているより、お互い解らないなら、案外ありなのかも知れない。ただ、病院に収容されるか、亡くなる結果になるかだと思うけど…。こんな病のパンデミックは恐ろし過ぎる。
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