ふじこ

こぼれる記憶の海でのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

こぼれる記憶の海で(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

製作者の これをやりたいんだ!ってものが明確なので、いやよく考えたらおかしくない?って部分はサラッと流し、あとは綺麗な映像や落ち着きがあって非常に宜しい音楽、波のように押しては引く悲しみや辛さなんかにたゆたって終わる。

他のレビューにもある通り若年性アルツハイマーでも違いはないかなぁと思ったけど、
片方が忘れ、もう片方が忘れ、そしてまた冒頭に戻って出会い…って言う、じゃあ劇中で語ってた2人の思い出と矛盾しない?って部分の齟齬が大きくなっちゃうから、やっぱり未知の病気って事にしといた方がしっくりするんじゃないかな。
そのまま冒頭に戻るんだったら、今はもう記憶を失くしてしまった友人やらそいつと別れた共通の友人の妻やらとの思い出が捏造…
…まで書いたところで思い出したけど、この病気って記憶の空白を勝手に脳が捏造するんだっけ。
なんかそんな事言ってたな。
じゃあやっぱり物語の終わりで、深い悲しみだけを憶えたまま新たに夫と出会い直して以降、過去の記憶とやらは脳が勝手に作ったものになるのかな。
何処までが本当で何処までがそうじゃないのか、曖昧になるのか。

でもそれじゃあ、劇中に出てた他の忘れてしまった患者の様子と結構違いが出るよなあ。
船の操縦を忘れて泳いでた人、走り出したまま止まる事を忘れた女性、急にバスを降りて何処かへ歩き去った男性…
主役の2人もまた罹患しているのだとしたら、どうやって生活しているんだろう…。

まぁ、未知の病だからいっか!
映画内の雰囲気が良かったから、それをそのまま受け取ってふんわりした心地だけ貰っておこう。
映像がきれい、の力すごい。最初はふ~んって思ってたけど、終盤にかけて良かったなあ。
ふじこ

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