記憶が消えてしまう原因不明の病が世界中で流行する最中、若き夫婦に襲いかかる悲劇と切ない結末を描いたSFドラマ映画。
2022年256本目。
設定の突飛さも、入念な導入によってほとんど気になりませんでした。そこさえ気にならなければ、本作は間違いなく心に響く作品になるはずです。
単なる偶然であるはずの出会い、そこから積み重ねる2人だけの思い出が消えて行く、共有できなくなる切なさや、いつか愛する人が記憶から完全に消え去ることを悟った時、残りの時間をどう過ごすかの焦燥感、生々しい感情が痛い程に伝わってきました。考えるだけで胸が苦しくなるほどです。
ここまで感情移入できたのも、ジャック・オコネルとオリヴィア・クックの演技の賜物です。遣り場のない切なさが強く残る作品ですが、気持ちを揺さぶられました。