不死鳥の川

こぼれる記憶の海での不死鳥の川のレビュー・感想・評価

こぼれる記憶の海で(2020年製作の映画)
3.9
記憶が消えてしまう原因不明の病が世界中で流行する最中、若き夫婦に襲いかかる悲劇と切ない結末を描いたSFドラマ映画。

2022年256本目。

設定の突飛さも、入念な導入によってほとんど気になりませんでした。そこさえ気にならなければ、本作は間違いなく心に響く作品になるはずです。

単なる偶然であるはずの出会い、そこから積み重ねる2人だけの思い出が消えて行く、共有できなくなる切なさや、いつか愛する人が記憶から完全に消え去ることを悟った時、残りの時間をどう過ごすかの焦燥感、生々しい感情が痛い程に伝わってきました。考えるだけで胸が苦しくなるほどです。

ここまで感情移入できたのも、ジャック・オコネルとオリヴィア・クックの演技の賜物です。遣り場のない切なさが強く残る作品ですが、気持ちを揺さぶられました。
不死鳥の川

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