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短篇集 さりゆくもののimaponのレビュー・感想・評価

短篇集 さりゆくもの(2020年製作の映画)
3.9
「いつか忘れさられる」
短編でありながらカラー無声のフィルム撮影という大胆な挑戦。現代カラー無声はスマフォの文字も字幕の役割果たす。食事シーンが印象的で奥の部屋では無音の嗚咽。
祷キララのセーラー、ほたるのダウンベスト。

「八十八ヶ所巡礼」
四国お遍路で出会った片目に障害を持つ山田さんは人の良い愛妻家で律儀にお遍路。そのドキュメント。
しかし、彼のその後はご利益どころか…息子夫婦も良き人でほっこりだが実はブラック。現在へ繋ぐコマ落し映像と音楽。

「ノブ江の痣」
いつものピンクメンバーで山内ワールド、そこからピンク要素を排除すると。。可児キラーの上行く三沢・森羅万象愛。これを土台に長編ピンク作って欲しい。
土肥良成の特殊造形美術堪能。

「泥酔して死ぬる」
オムニバスの中にこういうの入れてくるセンス大事。監督の大胆ベッドシーンと棒読み破壊力にワロタ。小田嶋おじさんの著書も登場。泥酔通り越してLSD的アニメーションまで。

「もっとも小さい光」
このテーマで櫻井拓也主演作。撮ってあるのね。
ネックウォーマーの似合う夭折惜しい役者さん、かあちゃんにほたる。誰しも心当たりのある母親への嫌悪。反抗的で素直になれない未成長なダメ・アルバイターだが、かあちゃんの方にもそれなりのダメ理由があって。短編集掉尾を飾るに相応しいラストシーン。
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