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悪魔が呼んでいるの3104のレビュー・感想・評価

悪魔が呼んでいる(1970年製作の映画)
4.0
公開当時は「幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形」と同時上映で監督も同じ山本迪夫。“血を吸う外伝”的なタッチだが不条理さ(とその後に待つ展開)の衝撃はこちらに軍配か。

OPの誰もいない丸の内から静かにテンションが上がる。日常に訪れる不意の不条理の連続。次々と厄災が放り込まれる。
中盤から流れが変わり、あぁなるほど今度はそっちなのかな・・と思い〜そして“謎”が明かされようとするのでほんの少しだけ落胆したり〜ながらも、そこからまた思いもよらぬ路線に(ネタバレにならぬようにこれくらいで)。

76分の中に余分な説明や描写がない。今の時代ならもっとくどかったり場面を付け足すであろう所を、時に一言二言のセリフで済ませたり。その外連味や良し。

これでもかこれでもかと災難に見舞われる酒井和歌子。眉間にシワが寄り切っていない、ぎこちないとも取れる表情がいい。そして個人的には田村奈巳が堪能できて幸せなり。
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