トシオ88

悪魔が呼んでいるのトシオ88のレビュー・感想・評価

悪魔が呼んでいる(1970年製作の映画)
3.7
ようやく鑑賞出来ました!酒井和歌子主演の不条理スリラー「悪魔が呼んでいる」😈を!
冒頭、昭和40年代の無人の銀座、丸の内が映し出される…やがて人が行き交う中、出社するワコちゃん(=酒井和歌子)。タイムカードを押し「間に合った〜」と安堵するも束の間、突如部長に呼び出され理由なく解雇を告げられる!ブチ切れて啖呵を切って会社を飛び出し、恋人(=下條アトム)をサテン(=カフェ)に呼び出すも、いきなり別れを告げられるワコちゃん😨。そして傷心のまま、アパートに戻ると、大家(=野村昭子😃)に一ヶ月後の賃貸契約解除を突如告げられるのだった…☠️

こんな調子で、まるで江口寿史のコミック「エリカの星」ヒロイン南城エリカの如く不条理不幸の釣瓶打ち!やがて不幸のレベルが上がり、空き巣に殺人まで…そして必ず現場に響く謎のオカリナの調べ…😨
70分足らずの短尺に、よくもこれほど詰め込んだと驚愕のストーリーが展開する。登場する人物で、やはり強烈なのが大滝秀治!ラメ入り紫色のスーツをダンディに着こなし、下品に銀座のホステスのバストサイズを手で測る姿は、ジョーカーにも香川照之にも決して引けを取らない。イカしてる(=イケメンのこと)ぜ、大滝爺!

ストーリーは、その後もなんだかんだあって、思わぬ結末に収斂していく。しかしやはりこの映画のハイライトは大都会で無慈悲に追い詰められて悲鳴をあげ恐怖に目を見開く前半の酒井和歌子の演技だろう。そして当時ブームのミニスカートからの見事な脚線美とその美貌は、さりげないOLファッションで銀座を歩いていても、何人もの人々が振り返るほどの華がある🥰。
1970年代の今はなき東京の姿(街の巨大ネオン、ゴーゴークラブマリファナ🇲🇱、電話ボックスのブルーの公衆電話、無人の丸の内仲通り…)が堪能できるのと同時に、女性が主人公の巻き込まれ型サスペンスの邦画初作品という点(+不条理)からも、機会あれば沢山の人に観て欲しい作品です🎬😃
トシオ88

トシオ88