Anna

14歳の栞のAnnaのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
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マジックペンで手に書いた文字、体育館に置いてある濡れ雑巾、吹奏楽部のチューナー、廊下に出した机を朝一番に教室に入れる作業、黒板の日付に「弥生」と書くこと、、、
すっかり忘れていたけど、自分の過ごした14歳の中にも確かにあった光景。
もし自分のクラスが取材対象だったら、私は何を答えていたんだろう。
我々大人が思うより14歳は大人だったし、当人たちが思ってるほど14歳は大人じゃない。きっとそれは今も昔も変わらず。

なんだかずっとずっと苦しかった。
あの頃のあの人は何を思っていたんだろう。
ただ目の前のことにがむしゃらで、視野が狭かったあの頃。
あんなにみずみずしく輝いていた時代を忘れていたなんて。
今夜はもう戻れない10年前に思いを馳せたい。
ラストに流れた栞に鳥肌と涙。

全然席が取れず、普段は最後列で観るスクリーンを最前列で首を痛くしながら、少し画面酔いしながら観たけれど、そうしてでも観る価値があった。
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