めちゃくちゃ薄味でびっくりした。世界観がせっかく重厚そうなのに、2時間の映画にするにあたって、削らなきゃいけないところを見誤ってるという印象。
社会的な話に舵を切っても、個人的な話に舵を切ってもできたし、もしかしたらその両方をバランスよく描けたかもだけど、全部が中途半端な気がした。
本当に時間の経過がわからなくて(時々年齢に触れられるけど)、主人公の内的成長もあまり感じないから、いまいちピンとこない。話がかなり飛び飛びで、状況を正確に把握するのすら大変。こういう内容だからこそ、時間を大切に扱ってほしかったなあ。
たぶんエチュードかなあという演出があったんだけど、たどたどしく一生懸命に繰り出すその言葉たちは、むしろ技術に翻弄される民衆の愚かさを演出されてる感じがして、なんか嫌だった。あーそうだ、多分ずっと上から目線を感じていた、高尚な世界で悩める人たちと、そこに縋ることしかできない人たちの格差を無自覚に描いてる感じが、多分結構嫌だった。
