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デカローグ デジタル・リマスター版の作品紹介

デカローグ デジタル・リマスター版のあらすじ

「トリコロール三部作(『青の愛』『白の愛』『赤の愛』)や『ふたりのベロニカ』で知られるポーランドの名匠クシシュトフ・キェシロフスキ監督が1988年に発表した全10篇の連作集。もともとはテレビシリーズとして製作されたが、その質の高さが評判を呼び1989年ヴェネチア国際映画祭で上映。その後、世界中で公開され高い評価を受けた。日本では1996年に劇場で初公開され、当時最新作だった「トリコロール三部作」の人気と相まって圧倒的な支持を得た。映画監督のスタンリー・キューブリックが「重要な作品」と絶賛したほか、エドワード・ヤン、侯孝賢など数多くの映画作家たちがキェシロフスキの才能を羨望し賞賛した。クシシュトフ・キェシロフスキ生誕80年/没25年の記念イヤーに、最新レストレーションにより一層美しさと輝きが増したデジタル・リマスター版が公開される。

デカローグ デジタル・リマスター版の監督

デカローグ デジタル・リマスター版の出演者

原題
Dekalog
公式サイト
http://www.ivc-tokyo.co.jp/dekalog/
製作年
1989年
製作国
ポーランド
上映時間
587分

『デカローグ デジタル・リマスター版』に投稿された感想・評価

kuu

kuuの感想・評価

3.8
『デカローグ』
鉈と斧持って午前中はワッショイと木を切り刻んだし、やる気根気十分でやっと見終わった
嗚呼!何年かけたやろ😵
兎にも🐇角👹にも、長い。ピョンピョン🐰
鉈と斧の手入れと刃を研ぐまえに書いちょります。チョリ松。←意味不明。もう暖かくなったし薪を作らなくてもええ生活なのに、焚き火するのも十分あるのに、伐って斬って切りまくりたいお年頃。まるで、ロッキーのロシアでのトレーニングみたいに。
皆様キャンプでの火気には十分お気をつけくださいな。🔥
ポーランド人監督クシシュトフ・キェシロフスキは、政治、 コメディ、 稀有な作家だそうですが、それは作品通して感じられるかな。
この作品は、
ワルシャワのある集合住宅を舞台にした10篇のショー トフィルムからなってますが、シツコイですが長い。自分のムスコは短めですが。
もともとってのはポーランドのTV向けに制作されたヤツらしく、本作品で監督は、より壮大で普遍的なものに目を向けたんちゃうかな。
ある部屋じゃ、父と子が科学技術が支配する時代の神の存在意義について考えとる。
別の部屋じゃ、医師が男性患者の延命について(この選択が妊娠している患者の妻に重大な影響を及ぼす) 悩んどる。
さらに父親が残しよった高価な切手コレクションを引き継ぎ、疎遠やった父に思いを寄せる兄弟。
死刑の是非を問う残虐な殺人事件。
どの話も家庭内のやむを得ない事情をてのを扱い、正誤てのの判断はできないかな。
キエシロフスキ監督は主人公たちの選んだ第3の道を示しとるらしいが、
題名の「デカ」は数字の“十”、「ローグ」は“言葉”を意味し、旧約聖書の「十戒」を意味する。それぞれのお話は十戒の掟にちなんでいるんやけど、小生には関連性はいまいちピンと泉ピン子のウィークエンダーほど?こなかった(勉強不足ですいません🙏)。
キエシロフスキ監督はこの古い戒律をいかに現代の複雑な日常生に当てはめるかに、 興味をもったようやけど、 また、各エピソードに違った美学が見られるけど、それぞれのテーマは類似している。
別々のエピソードにゃ同じ俳優が登場し、個性的で魅力あるストーリー同士をつなぐ役目を果たしてるかな。
人間らしさとはなにか、ちゅう永遠のテーマに迫る多彩な物語てのを、 違和感なくひとつにまとめあげてる詩的な『デカローグ』は、 エンターテインメントって枠じゃなく現代じゃ芸術作品の範疇なんかなぁ。
【一言で言うと】
「答えなき“人生”」

[あらすじ]
ポーランド・ワルシャワ郊外の公営団地を舞台に繰り広げられる、あなたの、わたしの、そして私たちの、幾重もの人生模様を描いた10通りの物語...。

【はじめに】

5月29日〜6月4日にかけて鑑賞。

ハッキリ言ってしまえば、オールタイムベストです。

こんなサラッと言ってしまっていいのかどうかも分からないけど、これを超えるような作品に出逢えるかどうかも分からない。

今まで色んな作品を観てきましたが...ここまで完璧に計算され尽くした、激しく心に焼きついた映画は未だかつて観たことがない。
今まで人生観てきた映画の中で何が一番好きかを決めれずにいましたが、今日ようやくこの悩みに決着がつきました。

近々DVDボックスも買うつもりです。
今も、そしてこれからも、この『デカローグ』という傑作を何度も何度も見返すために...






とまぁこんな話するのもあれなので、一話一話の感想を頑張って書いていきますね😅

【各評】

《第一話》
「ある運命に関する物語」
スコア:★★★★★
[あらすじ]
息子のパヴェウと暮らす大学教授のクシシュトフ。ある朝、パヴェウから「死って何?」と問われ、魂や神を信じないクシシュトフは戸惑う。ふたりは近所の池に張った氷の厚さを計算し、安全にスケートができることを割り出すが...。

全十話の中でもとりわけズッシリ来たお話。
コンピューターで計算して、安全性も確かめて、それなのに...ただただ、やるせない😔
“神の悪戯”ってあるのだなって感じましたね😫
それに全体を彩る淡い映像も相まってか、恐怖心を擽らせる物語だったのもかなり印象的でした。
あんな事があった後にあのパソコンの光は流石に怖すぎるやろ😰...
【好きな映像表現】
・こぼれた蝋が聖母マリアの絵に垂れ落ちるシーン。
全てにおけるシーンの中で、これはマジで鳥肌立った。センス良すぎて。
こういう映画観ていていつも思うけど、一体どんな発想をしたらこんな唯一無二な映像が撮れるんでしょうね🤔...

《第二話》
「ある選択に関する物語」
スコア:★★★★☆
[あらすじ]
孤独な生活を送る老医師の前にドロタと名乗る女性が訪ねてくる。彼女は危篤状態で入院している夫の容態を問いただす。彼女は夫を愛しながらも、別の男の子を身ごもっており、夫が助かるのであれば子供をおろすという。果たして医師の助言とは?...。

全体的にはかなり淡々とした物語でしたが、ドロタと老医師の会話劇がとっても良いんですよね☺️
ただ描いていることは前話同様深刻な内容で、子供を堕すか堕さないか、それをどちらに“選択”するのかという展開に思わず考えさせられましたね。
世の中白黒つけたがりますが、中には“グレー”の事象だってあり得る。
そんな絶妙なアンバランスの世界を見事に描き出していました。
【好きな映像表現】
・スプーンの縁に濁った水から出てきた蠅がよじ登るシーン。
登り切れば“生”、落ちれば“死”...まさにこの物語を象徴するに相応しいシーンでした。

《第三話》
「あるクリスマス・イブに関する物語」
スコア:★★★☆☆
[あらすじ]
家族とイヴを祝っていたタクシー運転手のヤヌーシュの前にかつての恋人エヴァが現れる。彼女は現在の恋人が行方不明なので一緒に探して欲しいと頼む。ヤヌーシュは妻に嘘をつき、エヴァと共に聖夜のワルシャワを彷徨う...。

全十話の中でも幻想的かつ光彩的で、特に映像表現としてはどの物語の中でもかなり好きな部類に入る方だった。
ただストーリーが微妙というか、あまり共感といった所では許容できない範囲が多く、特にエヴァのやる事なす事に結局何がしたかったの?という疑問がついて離れなかったです😔
自分だったらあんなクリスマス・イブは過ごしたくはないな😅...
【好きな映像表現】
・車で突っ込んだ巨大クリスマスツリーが倒れてくるシーン。
あのシーンほどノスタルジックという言葉が似合うシーンは無いと思う。それくらい好き。

《第四話》
「ある父と娘に関する物語」
スコア:★★★★★
[あらすじ]
父ミハウと暮らす学生のアンカ。ミハウが出張のたびに持ち歩くのはアンカへ宛てた手紙だ。しかしある日、アンカは自宅で「死後開封」と記されたこの手紙を発見する。そこには自分を産んですぐに亡くなった母の筆跡があった...。

全十話の中でも繰り返し観たいほど好きな物語かもしれない。
それくらい没入させる演出や脚本も素晴らしいですし、何ならこんな濃密なストーリーを1時間ちょいで描き切る才能に震えた。
ある父と娘の“秘密”...秘密は知るべきだろうか、それともそっとしておくべきだろうか。
特に後半からの展開がもう素晴らしいと言っても過言じゃない。
父親の演技もだし、ラストシーンに関してはあまりにも完璧過ぎて鳥肌が立った。
【好きな映像表現】
・エレベーターでの会話シーン。
あんな無機質なシーンを魅力的に描ける監督が未だかつでいただろうか?
もどかしさと気まずさが相まったあのシーンを、良いとこで邪魔が入るといったコメディタッチで描くところに独特な感性を持っているなと思いましたね🤔

《第五話》
「ある殺人に関する物語」
スコア:★★★★☆
[あらすじ]
タクシー運転手を殺害した青年ヤツェック。若き弁護士ピョートルは尽力するが力及ばず、極刑の判決が下される。刑執行の日、ヤツェックはピョートルを呼び出し、自身の家族のことを語りだす。そして最期の時が訪れる...。

全十話の中でもとりわけ異質で、社会的なテーマに挑んだような物語。
内容は面白いこともさることながら、“殺人”の見せ方、それに捉え方における手法がもう本当に秀逸としか言いようがない。
観始めた最初と観終わった最後とでは“殺人”に対する意味も深みがより一層増しており、青年ヤツェックの抱える“孤独”というのも様々なメタファーとして表現されている所に思わずハッとさせられました😧
【好きな映像表現】
・絵描きが描く少女の肖像画をヤツェックが意味ありげに見つめるシーン。
全体を彩る錆びた色合いのフィルターも相まってか、青年を蝕む孤独の正体をまるでハッキリ肉付けするようなシーンでした。
このシーンが後に“伏線”として判明するのだから、尚更感慨深い😔...

《第六話》
「ある愛に関する物語」
スコア:★★★★★
[あらすじ]
毎夜、向かいの部屋に住む美しい女性マグダを望遠鏡で見つめる郵便局で働く19歳のトメク。彼はあの手この手を使って何とか彼女への接近を試みる。トメクは遂にマグダに「愛している」と想いを伝え、デートをすることになるのだが...。

こういう不器用な恋を描いたストーリーは個人的にも大好きだし、なんと言ってもトメクのアプローチが絶妙に童貞臭くて嫌になるというよりかはメチャクチャホッコリした☺️
それに最初の関係性から徐々に逆転していく展開は見事ですし、最終的にはどうなることやら…と思いきやあのラストシーンはこれ以上ないほど完璧なラスト過ぎて思わず溜息が漏れた。
“愛”は互いを当惑させ、そして洗練される...トメクは色んな意味で“大人”になってしまったのだと変に親心を抱いてしまった😅
【好きな映像表現】
・マグダが思わず牛乳ビンをテーブルに零してしまうシーン。
無機質な“心”に何も知らない不純な“愛”がなだれ込むとも解釈できるこのシーン。
それを望遠鏡で覗き込むトメクの表情然り、そこからあの行動に移っていくとなるとかなり印象的なシーンでした。

《第七話》
「ある告白に関する物語」
スコア:★★★★☆
[あらすじ]
16歳で母となったマイカ。しかし彼女の母エヴァは世間体を気にして、娘をマイカから取り上げ自身の娘として育てていた。ある日マイカは娘を連れ出し逃避行に出る。母エヴァも2人の行方を捜す。果たして「母親であること」を巡る逃避行の結末は?...。

全十話の中でもかなり残酷なお話だったかと思う。
身内で娘を盗り合うという地獄...16歳で娘を産んだマイカにも多少の責任はなきにしもあらずだが、流石に生みの親でもないのに娘を取り上げてまで愛情深く接する母親には気持ち悪さすら感じる。
ラストも全くもって救われないし、やはりこの諍いに巻き込まれる娘が一番不憫なことよ😫...
ただやっぱりストーリーの構成はいつもながら素晴らしいですし、切れ味抜群なラストなのにそこまで引き摺ることのない後味なのもメチャクチャ良かったです。
【好きな映像表現】
・アンカがお父さんの指を頑なに離さないシーン。
“身をつまされる”とはまさにこのこと。
いくら生みの親でも娘には“ママ”と言ってもらえず、終いにはロクに会いもしない父親には“繋がり”を感じる...それらの心理描写が全てあの瞬間に詰まっている。
やっぱり映像で語らせたらピカイチだよな...この監督は😌

《第八話》
「ある過去に関する物語」
スコア:★★★☆☆
[あらすじ]
大学で倫理学の教鞭をとるゾフィアは学長から学術交流でアメリカからやってきたエルジュビェタを紹介される。ゾフィアの授業に参加したエルジュビェアタはある質問を投げかける。それはゾフィアの封印していた過去を呼び起こすものだった...。

今までのとはまた打って変わって、ホロコーストなど“負”の歴史を題材としたストーリー。
思わぬ形で呼び起こされる“過去”...あまりこの監督からは政治色の色濃さは感じなかったので、こういった話もやるのかとなんだか意外に感じましたね🤔
ただ...こう言っちゃなんですが、個人的にはかなり微妙でした😫
これといった特徴的な映像表現もなく、ただただ淡々とした会話劇が続いていくだけなので、もう少し印象に残るシーンさえあれば...と思ってしまった。
【好きな映像表現】
・服屋の主人が最後、二人の様子を窓越しで見つめるシーン。
戦時中の話はしたくないと突っぱね返す主人が、最後でその心の“揺らぎ”がハッキリと見て取れる瞬間。
あのちょっとしたシーンでも、大きな意味をも含む描写が出来ることにただただ感服です...。

《第九話》
「ある孤独に関する物語」
スコア:★★★★★
[あらすじ]
性的不能に陥り、回復の見込みがないと知らされた外科医ロメク。自暴自棄になった彼を妻のハンカは「愛は心の中にあるもの。下半身じゃない」と慰める。しかし、彼女にはどうやら若い恋人がいるらしく、ロメクは疑念にかられていく...。

前話はかなり微妙でしたけど、今回は映像表現然り、かなり好きなストーリーでした。
EDに苛まれる夫と不貞を働く妻。ここでのテーマを“愛”ではなく、“孤独”で表現している所に抜群のセンスとアイロニーを感じる。
セックスだけが愛のしるしなのか?それとも...
その場凌ぎの“愛の形”は、いつだって後味は悪いもの。
そこをどう乗り越えるかで、“孤独”は埋まってくるものですから...
【好きな映像表現】
・ハンカがクローゼットから覗くロメクに気づくシーン。
撮影監督が第三話と同じ人だからか、かなり好きな映像表現が多かったけど中でもこのシーンはマジで格別。
そこまで大きな意味を含むシーンでも無いんだけど、画面越しに目が合った瞬間思わずドキッとしてしまいましたね...

《第十話》
「ある希望に関する物語」
スコア:★★★★★
[あらすじ]
父の死で久しぶりに会ったアルトゥルとイェジーの兄弟。疎遠だった父が遺した切手コレクションにとんでもない価値があることを知った2人は、その莫大な遺産に驚愕する。2人は父が最後まで手にできなかった希少なコレクションを手に入れるべく奔走する...。

最後の最後で吹っ切れたのか、今までの人間ドラマからガラッとシフトチェンジして喜劇的なストーリーに仕上げていたのがなんだか良かったです☺️
全体通して笑える箇所も多かったですし、何よりもタイトルに対しての”皮肉“が前話同様メチャクチャ効いてる。
切手を巡る大騒動...果たして兄弟は大金を手にすることができるのか?
兄弟の中でも弟のキャラが何気に好き。
ていうか、全然関係ないけど兄貴の顔が少し老けた霜降り明星のせいやにしか見えんかったwww
【好きな映像表現】
・ラストの買ってきた切手を並べてヤケになって笑い合ってるシーン。
”希望“に関する物語なんだから最後は良い終わり方するんやろな〜と思ってたらあのラスト...希望もクソもねぇやんかって思いましたね(^◇^;)
まぁ理想的な結末を迎えるよりかはあのラストの方がより一層現実的だし、全体を通したテーマとしては一番合ってたんじゃないか...と思います🤔


【総評】

政治や悲劇、それにコメディなど、さまざまな要素を盛りこんでるにも関わらずこの完成度。
全体を彩る素朴かつ壮大なクラシック音楽に、幻想的な映像表現...稀有な才能の成せる技をまじまじと見せてもらいました。
基本的には遜色抜きで全話クオリティが高いのですが、中でも第四話と第六話に関しては何度も見返したいレベルで好き。
自分はああいったタイプのストーリーに弱いのでね(^◇^;)...

【おわりに】

とにかく映画館で観て本当に良かった。
まぁ映画館で全部観ようもんなら各話千円だとして、軽く1万円はかかりますが(゚o゚;;...それでも今作にはそれくらいの価値は十分にあると、そう断言できる映画です。

人生は悲喜こもごも。嬉しいときもあれば、悲しいときだってある。
それでもどこかで神様はきっと僕たちの事を見つめている。
それが人生だ。
“答え”のない人生を生きるからこそ、その名もなき答えを探究する価値があり、夢や希望が持てるのだから...

貴重な10代も残すところあと僅か。

こんな傑作を巡り合わせた“運命”に、ただただ感謝するばかりです。
たむ

たむの感想・評価

4.9
ポーランドの巨匠クシシュトフ・キェシロフスキ監督最大の大作で、全10話の約10時間、十戒をテーマにした作品です。

もともとはポーランドのテレビシリーズで製作されて、これは映画版です。
そのうちの2話は『殺人に関する短いフィルム』と『愛に関する短いフィルム』として独立した作品に再編集されています。
現代のポーランドを舞台に十戒を描くので、全てのエピソードが尋常ではない重厚なドラマが展開します。
どこから観ても、どう観ても良いとの事ですが、今回は番号順に鑑賞しました。
1話観るたびに感情的に疲弊するほどの重さ、悲劇のカタルシスがありこれが10話となるとさすがに映画史上の大長編、他の作品では味わえない映画世界を体感出来ます。

しかもキェシロフスキ監督らしく、全てを説明するわけではなく、現実と幻想、視点を操作する事でサスペンスを作り出します。
つまり能動的に鑑賞する事が必要となる。
さらにサブストーリーで『ふたりのベロニカ』『トリコロール』の原型となる物語も展開します。
ユニークなのは、メインではない事で、メインストーリーは、長編映画になっている事です。
視点が変われば、誰でも主人公になるという事だと思います。

キェシロフスキ監督作品は全てつながっており、キェシロフスキ・シネマティック・ユニバースが拡張します。
世界は、人々はどこかでつながり、影響を与えていく。
確かに10時間を費やすのはなかなかですが、1話のオープニングから10話のエンディングまで通してみると、他の映画にはないスケールを感じさせる作品ですね。

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