ピンフまんがん

獅子座のピンフまんがんのレビュー・感想・評価

獅子座(1959年製作の映画)
3.7
エリック・ロメールという人はヌーヴェルヴァーグ族の中でもとりわけ遅れて評価された人で、この作品は彼の長編デビュー作なんだけど日本公開も90年代以降のことで、当時は興行収入も良くはなかったらしい。そんな作品ではありますが、何かこう、普通に進行するんであって衝撃的なことは特段あるわけじゃないのだけれど観終わった後の余韻とでも言うか、印象的な映画ですね。当時のパリの様子って、華やかなんだけどまだまだむさ苦しさもあって、普通に物乞いも生活に溶け込んでいたんですね。カップルと浮浪者が共存している世界、なんだか現代の東京も似たような風景の場所ありますが。。。。。日本でも戦後は物乞いは普通にいましたけどね。前半は金に目がくらんだならず者のわりとありがちな姿。後半は一転してひたすら侘しい姿を延々とさらけ出します。「大金が入る」という現実が近づくと人間ってなかなか冷静にはなれないのでしょうか?
オチがやや弱いように感じるのがひっかかったけど、それでも印象的なヌーヴェルヴァーグ全開の作品でした。