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獅子座のayakosのレビュー・感想・評価

獅子座(1959年製作の映画)
3.6
エリックロメール監督初の長編作品。
遺産相続をあてに仲間と豪遊するも結局相続できず一文無しになる話。ホテル代を踏み倒し、スーツにはシミができ始め、髪は乱れ髭も剃れず、靴底は剥がれていく。
その様をパリの街並みを背景に重々しく憐れに描いていた。

獅子座というタイトルのとおり、占星術をさりげなく物語に取り入れているのが良かった。
支配者の星だが太陽には勝てないというように、当てもなく彷徨うピエールに夏日が突き刺さるほど降り注ぎ、逆に吉報を知り喜ぶ場面は夜だったのがまさに運命に翻弄されていて印象的。
最後に彼が弾いたヴァイオリンの音色が今までの苦悩が現れて深みが出てるなと思いきや、人はそう簡単に改心しないこと匂わせるエンドにふふとなった。
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