つのつの

獅子座のつのつののレビュー・感想・評価

獅子座(1959年製作の映画)
3.9
後年の美しくて詩的なスタイルとまるで違うロメールのデビュー作。
裕福なパリの若者達の馬鹿騒ぎが前半に描かれることで、後々ピエールが稼ぎを無くして放浪者になる展開と強烈に対比される。
本編と関係ないが、ピエールが文無しになってパリの街並みで野宿する展開はとても悲しく撮られているが、少し前にバズってたTweetにあるように、今の東京駅はベンチすらないので、とても二ヶ月も彷徨うことはできないだろうと考えてさらに悲しくなった。
ヌーヴェル・ヴァーグの特徴として言及される「ロケ撮影、手持ちカメラ」といった特徴は、(当たり前だけど)あくまでもわかりやすい共通項に過ぎなくて、例えば本作における作り込まれた室内の会話(カメラワーク格好いい)などはその特徴に当てはまらない。
鏡は、主人公の分裂も表すし、同時に雑貨屋の女主人とのギリギリの交流も描く。
街映画。
つのつの

つのつの