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邪魔者は殺せのfilmoutのレビュー・感想・評価

邪魔者は殺せ(1947年製作の映画)
3.5
冒頭で「この映画は北アイルランドが舞台だが体制と非合法組織の闘争がテーマではなく事件に巻き込まれた人々の反応を描いたもの」と説明があって、序盤の導入のシーンでは「そうは言っても最初から大事件じゃないか」と思ったが本当にそうだった。

それにしてもこの主人公が意識朦朧のまま群像劇的な物語の軸になるというのは中盤まではそのシリアスコメディの妙を感じていたけど、完全にファンタジーでしかなく後半へ進むにつれて興味が徐々に薄れてしまった。
殺人になってしまっているから余計に。
結果的にこの物語をもう少し作り変えたような犯人の逃避行とそれを取り巻く人々という後年生まれてくる作品の方が批判精神と冷静な視点を持っている。

10年以上前だったか、広島の吉島刑務所から脱走した受刑者がまだ捕まっていない時に某古着屋の店主が、うちの方に来たらどうしようかと戦々恐々としていながらも「匿って食事を出すかもしれない」と言っていたのを思い出した。
「通報しんさい」とは言ったけど。
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