Jimmy

邪魔者は殺せのJimmyのレビュー・感想・評価

邪魔者は殺せ(1947年製作の映画)
4.0
初見は、1987年8月10日鑑賞。

ある逃亡者の男をめぐって、彼をかくまおうとする女、通報して賞金かせぎしようとする人など様々な行動をとろうとする周囲の人たちを描いたサスペンス映画。
その後の『第三の男』にも通じるキャロル・リード監督のモノクロ濃淡の映像も見事……ということしか憶えていなかったので、31年ぶりに再びこの映画を観た。

冒頭、「この映画は、北アイルランドを舞台にしているが、政治運動をしている者などを描いているのではなく、ある犯罪者に巻き込まれた人たちを描いているのである」というキャロル・リード監督のメッセージが表明され、その通りに物語が進む。

アイルランド独立運動に参加している出所したばかりの男ジョニー(ジェームズ・メイスン)を中心に男達4人が政治運動資金を得るために、現金強盗をはたらく。
その際、ジョニーはシャバに出たばかりなので、強盗直後の車で逃げる時、太陽の光に眩暈がして左肩を撃たれるが、ジョニーはその撃った男を射殺してしまう。
そして、大怪我したジョニーは仲間と逃げる途中で車から落ちて、怪我したまま彷徨うこととなる。そのジョニーに接した人達は、犯罪組織に関わりたくないという人や、彼を突き出せば懸賞金がもらえるという人など反応は様々である。

映画を観ている者をハラハラさせながら物語が進んで行くノワールものの佳作であった。
この雰囲気を見事に演出したキャロル・リード、モノクロ映像を見事に描いて見せた撮影監督ロバート・クラスカーの手腕が実に見事。
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