モノクロームの美しさを堪能できる。特に雨に光る石畳など一瞬の風景は目を見張るものがある。
一般には名作と評価の高い作品ではあるが、個人的には資料としての価値は高いが、純粋に映画として楽しめたかというと疑問だ。
プロローグでも書かれているが「人々の反応」を描いたもので、主人公を追うのだが群像劇に近い。そして落とし所がメロドラマなのでノワールとしても弱く感じる。
主人公もほとんどへろへろの状態でウロウロするだけなのでこれも陰鬱感を増している。
モノクロームの美しさを好きな人がそこに集中して観るとかなり楽しめる作品だが、今でも通用する映画かというと、賞味期限切れだと思う。