いろいろなことを感じさせられた良作。
このお話、普通の人ならザラつかせるというかドロドロさせると思うのだが、この監督はとても綺麗に撮っている。
そのため展開や刺激的な内容より、キャラクターの気持ちに私たちの意識が向き、考えるための余白が加わっていたと思う。
役者さんたちも素晴らしく良かった。
おそらく主人公は「よくわからないまま」行動している。
それを破綻させずに観客に伝えるのは相当に難しい。主演の女の子はセリフでなく動きや表情でそれを見せた。
高校生の恋愛ものを楽に観られると思ったが、結構深い所を語っており、決して軽く観られたわけではなかった。しかし今回は嬉しい誤算でした。
ただ主人公が出ずっぱりなのでちょっと減点。
それがアカンというのではないけど、パクさん(高畑勲)に叱られるので(笑)。
この映画、観る人によって感想はそれぞれ違うと思う。
一緒に観た人と、あれこれ語ることもできる映画ではないか。