このレビューはネタバレを含みます
めちゃくちゃ良かった。原作は高校生か中学生?中3くらい?で読んでて、思い入れがあるのも大きいかも(記憶はあんまり残っていない)だけど、すごい良かった。
頭おかしい女の子好きだから……、でもいいんだけど、それだけだとしょうもないので、いくつか書きたい。
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①注射のモチーフ
なんかコロナワクチンの時に、短歌をやってる人は注射が好き…みたいな話が盛り上がってるのをTLで見て、僕は別にそんなに注射好きでもないんだけど、でも何かが人体に侵入するのってやっぱエロいんだなあ、という当たり前の感想を持った。でもみゆきちゃんが注射してるのを見た愛ちゃんが、みゆきちゃんの体に愛ちゃんが打ってあげる、とはならずに、愛ちゃんが自身の体に打つのが、けっこう面白い気がした。
②愛ちゃんを演じた山田杏奈さん
全体的に、役に対して雰囲気が見事にはまっていてすごかった。顔立ちといい、制服の着方といい、なんか肩幅ごつい感じといい、私服の感じといい、すごい合ってる……という感想。
「気が強いって女にしか言わないね」とか、お母さんと手の大きさを比べるシーンとかは、綿矢りさ味(み)を感じさせるなあ、と思ってよかった。
愛ちゃんを好きな男の子から、ゲーセンに来いよ、ってLINEが入って、家を飛び出して何するのかと思ったら手紙をまた盗みに行く、とか、なんか性格の感じをイメージさせるエピソードがどれも惹きつけられるもので、引き込まれた。
原作は時期的にLINEではないはずだから脚本でうまく調整してるんだろうなぁ。原作を再読して比較したくなる。
③乃木坂
愛ちゃんが乃木坂風の曲でダンスを最初センターで踊ってて、みゆきちゃんを探しに抜ける……っていうシーンで、あ〜なんかこういう「女子」「青春」みたいなモチーフから始まるのかぁ、みたいな感じでちょっとがっかりしてたから、最後の方の文化祭を抜け出して花束をもらって…みたいなシーンでうまく回収されて感心した。
乃木坂風の服を着たままの女の子と、制服を着たままの女の子、って、すごい組み合わせ。
④田舎
最初の方から、予備校といいゲーセンといい、なんとなく郊外というか国道沿い、みたいなイメージをずっと連打してて、自転車で全力で走っていく感じとか、みゆきちゃんと愛ちゃんが橋で別れ話(?)する感じとかに手堅く生かされていてよかった。たとえくんの東京に出してもらえない感じとか。
郊外とか都市性と田舎性みたいなのって映画だとけっこう、アピールしなくても映像だけでスマートに説明できるところがあるから、短歌だと結構みんなシティ感とか田舎感出すのが目的化しちゃっててウンザリなところもあるので羨ましいというか、レベル高くてうれしいなー、とお客さんとしては思った。
⑤主題歌
大森靖子、ありがとうございます(; ;)