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ひらいてのyumaのレビュー・感想・評価

ひらいて(2021年製作の映画)
3.5
綿矢りさの小説が原作とのこと。昔、彼女の小説で、「インストール」や「蹴りたい背中」って本が流行って、友達と貸し借りして読んだなー。

これ系の映画って全然見てなくて、しかもテレビも全然見てないから、劇中の役者さん誰も知らなかったけど、それが良かった。
愛ちゃん役の子、アイドル顔だから最初AKBみたいなグループにいる人なのかと思ったけど、全然違った。笑

なんというか、自分の欲望に忠実なことって、そんなにいけないのかしら。
確かに、愛ちゃん、思ったこと口に出し過ぎではあるけども。
ああいう子って、子どもでも大人でも結構いるなって思ったり。
たとえば、結婚がしたいからしたけど旦那のことはめちゃめちゃ好きってわけじゃない、とか普通に女同士だと会話で出てくるけど、それって、自分の欲望を叶えたけど、本気で相手に笑いかけてるわけじゃない、ってことと一緒かもしれない。でも相手も気づかなければ幸せではあるし。たとえ君は、俺に本気で笑いかけてみろよ!って言ってたけどさ。

まあ、この人自己中で自分のこと利用しようとしてるなって思ったり、そういう人を敏感に気づきがちな人は、とっとと逃げるか相手を適当にあしらうかしないとキリはないんだよね。

結局、頭良くて可愛くてカースト上位の愛ちゃんが、ガタガタに崩れてしまって、毎朝時間かけてヘアアイロンでストレートにしてた髪もボサボサ、綺麗に塗ってたネイルもボロボロ、成績もガタ落ち、自分にとって1番有利になるように取り繕っていても、キッカケがあればフレームアウトしてしまう。
美雪も性的なことに興味は抱いていながらも自分のフレームから出ることは、愛ちゃんとのキッカケがないとなかったわけで、自分がこう見られたい!という自分像から飛び出して、自分の欲望や歪さ、汚さと向き合ったとき、はじめて「ひらいて」いけるのではないかと思った。

大人になっても「ひらいて」ない人、いるから。学生時代に「ひらけた」ら、成熟度高いよー。

まあこの映画の「ひらいて」はこの解釈ではない気がするけど、別にいいんです。
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