ぐり

ひらいてのぐりのレビュー・感想・評価

ひらいて(2021年製作の映画)
4.1
主題歌めっちゃ良い〜!"さいあく!"

客観的に見たら確かにヤバい愛ちゃん。好きな男の子に振り向いてもらうためにその子の彼女を寝取っちゃうんだから。そんな愛ちゃんの言動に対して全くブレることなくゴミを見るような目で見てきたたとえは、彼女持ちとしてそれ相応の対応をしていたと思う。それに、自分の彼氏を奪うために近づいてきた愛ちゃんを、それでも許そうとする美雪は純粋な人だったと思う。客観的に見たらおそらくたとえも美雪も"いい人"だろうし、きっと2人は幸せになると思う。

けど、私はいつの間にか愛ちゃんのことを主観的に見てた。前半の愛ちゃんの言動(主に百合シーン)にドキドキしてしまったせいかもしれないけど、気がついたら私は愛ちゃん側になってた。ただ、愛されたくて。たとえ好きじゃなくてもいいから、ただ抱きしめて、キスしてほしい。そう願う愛ちゃんの姿が健気で、切なくて、苦しくて…

たとえが自分のことなど眼中にないとわかっていても、藁にもすがる思いで押しまくった愛ちゃんのこと、私が愛してあげたい。愛されたいよね。好きな人の1番になりたいよね。愛ちゃんのことを想うとずっと苦しくて、だんだんたとえも美雪も見ててだるくなってきた(笑)愛ちゃんのたとえへの気持ちは一途で真剣だったのに「嘘っぽい」と言うたとえは酷かった(てかたとえは女心わからなすぎて終始ムカムカだった)し、彼女でありながら「たとえくんに他に好きな人がいてもいい」とか言ってくる美雪もウザかった。

最後、愛ちゃんは美雪に心を"ひらいた"ってことなの??個人的には好きじゃないラストかも…(笑)愛ちゃんを振り回した2人は愛ちゃんからできるだけ遠いところで勝手に幸せにでも不幸せにでもなればいい!愛ちゃんをこれ以上嫌な気持ちにさせたらアタシが許さん!って感じだった(笑)愛ちゃんはやっぱり誰かに愛されたかっただけなのかもしれないけどね…

そんな愛ちゃんを演じた山田杏奈!最高でした!愛ちゃんを狂わせたのはたとえと美雪なのに、2人がめちゃくちゃ脇役に見えてしまうほど、彼女は圧倒的主人公だった。特に目の演技が大好きだったな〜。前半は"絶対にコイツをモノにできる"という自信に満ちた目をしていたから、後半の愛ちゃんの落ちようにはびっくりした。暗くてどんよりとした目。感情を爆発させるわけでもなく、静かに狂っていく愛ちゃんに目が離せなかった。マジで"全部どうでもいい"すぎて最高だったな〜😮‍💨

愛ちゃんが毎日ほのかなピンク色のマニキュアを塗って綺麗にしていた爪が後半でボロボロになっていたのが印象的だったけど、個人的には髪がぼさっとしていたのも好きだった。愛ちゃんが毎日ストレートアイロンで髪を整えていたのに対して、美雪は雑な分け目にぼさっとした髪をしていて。毎日可愛くなるために頑張っていた愛ちゃんからしたら、ほぼすっぴんでぼさっとした髪のくせに彼氏がいる(しかも自分の好きな人と付き合っている)美雪は不快だったと思う。私は基本最低限の身だしなみで生きてるからあんまり言えないけど、この気持ちに共感する人は絶対いる。"なんで私はこんなに毎日努力しているのに"って。そういう意味でも美雪の垢抜けない感じは良かった。きっと善人なんだろうけど、こっち(愛ちゃん側)からして見れば善人"ぶってる"ような鼻につく雰囲気もとても良かった。

愛ちゃんとの百合シーンには「いいんですか⁉️」って思春期の男子みたいな反応になってしまいましたすみません(笑)個人的にあの百合シーンは誰かの性癖って感じがしてとても好きだったな…愛ちゃんがめちゃくちゃ手洗ってたシーンは泣いたけど…ご馳走様でした…()

まだ精神が不安定な思春期ならではのドロドロ青春映画で面白かったです🫠最初から最後まで山田杏奈が無双していたのでじっくり山田杏奈を堪能させていただきました…😵‍💫💞自分勝手だけど、誰よりも愛に貪欲な愛ちゃん、私は大好きだよ🥲
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