サムカワ

悪魔のいけにえ レザーフェイス・リターンズのサムカワのレビュー・感想・評価

4.8
純スプラッター映画としての面白さがギュギュと詰まった81分。


いや〜楽しかったぁ…というのがもうすべてです。

『悪魔のいけにえ』もその後、様々な続編や前日譚が作られていて、僕も全部は追えてないんですが、本作は1作目の続編。
ブラムハウス版の『ハロウィン』的な感じかと。


しかし、その大傑作であるブラムハウス版『ハロウィン』よりも、
もっと純粋にスプラッター映画のジャンル性をアップデートさせてるといいますか。

もちろん主人公の背負ったトラウマは切実だし「生き残ったんだから特別なことをしろって言われるけど…」ってセリフにはグッと来ます。

ですが、それ以上に即物的なゴアとバイオレンスに全振りしてゆく、
とにかくレザーフェイスっていうやばい殺人鬼にひたすら人々が殺されてゆく。

その不条理で陰惨で、めっちゃ怖い!というところが『悪魔のいけにえ』らしさだよな…と再確認させられました。


あー…これは勝てないわ…という説得力もハンパない。
まず体格差は言うに及ばず
「この距離ならまだ逃げられ……あ、凶器投げられちゃったら無理だわ…」と、希望の芽をどんどん摘み取ってゆくのが最高で、
1ミリの容赦もなく人間の四肢が落ちて、裂けて、砕けてく様をまざまざと見せつける特殊メイクや映像技術の高さにもガッツポーズ。

地味に『シャイニング』とかやってくれるあたりニクい!


主人公ライラちゃんは、『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』という僕の大好きな映画の主演でもあったエルシー・フィッシャーちゃんが演じていて、彼女の成長した姿にも感動。

オリジナルキャスト復活モノとしては『ターミネーター:ニューフェイト』のリンダ・ハミルトンや、前述した『ハロウィン』のジェイミー・リー・カーティス的な活躍を期待しますが、
僕はむしろ今回のこのバランスが好きですよ。

過去作へのリスペクトはありつつも、今作られる現代の映画として、これからを生きる若者の成長をメインにしてくれている感じが、とっても良かったです。


エンドロールのあとね…
『ランボー 最後の戦場』みたいな哀愁…
サムカワ

サムカワ