あまり必然性を感じない作品だった。
特にハロウィン(2018)からインスパイアされたであろうサリーの設定。
ハロウィンのローリーが武装するのは、マイケル・マイヤーズという超常的なサイコキラーがいつ襲いにくるか分からないからで、ブギーマンはそういう種類の殺人鬼だからこそ説得力があった。
レザーフェイスは家に近づく者を殺すタイプの殺人鬼だから、「レザーフェイスから逃げるためにテキサスから離れる」ことが合理的で、
サリーがレザーフェイスの影に脅えながら、わざわざテキサスに留まることに必然性を感じない。
悪魔のいけにえ2のデニス・ホッパーは、身内が殺された復讐のためにレザーフェイス一家と対峙する。
そこには必然性がある。
サリーも復讐が目的であるなら、50年近くも待つ必然性が無い。
まあ、劇中で語られるように“取り憑かれてしまった”ということなんだろう。
●良かったところ
悪魔のいけにえの恐怖の本質は、「チェーンソーを持った大男が全力疾走してくること」だと思ってるので、追いかけっこシーンをきっちり入れてくれたのは良かった。
ちょっと少ないけど。
あとはバスのシーン。
まさに“massacre”に相応しい暴れっぷりでなかなか良い。
全体通して、悪魔のいけにえ“らしさ”をそれほど感じなかった。
別の殺人鬼でも良いと思うんだけど、それなら誰も見ないか…。
ハロウィンインスパイア要素も雑でがっかり。
今作よりは、テキサス・チェーンソーと同ビギニングをオススメしたい。