21世紀版『ひなぎく』。
スペインの田舎町であてもなく貧困生活を続ける母と、ロンドンでの学生生活を終えて実家に戻ってきた駆け出しスタイリストの一人娘レオとの生活を描いた作品。
厳しい環境下に置かれても尚ファッショナブルに生きる母娘の姿は、チェコを誇る古のカルト映画『ひなぎく』の姉妹を彷彿とさせる。
しかし常にマイペースな母とは違い、娘はどうにか貧困生活から脱却するため奮闘するが・・・・。
全編モノクロームで撮影されたミニマムな映像。
実の親子から放たれる独特な間やリズム感。
読めもしない洋書を、蔦◯書店のような小洒落た本屋で立ち読みするようなあの感覚。
稀に見るオシャンティ映画であった。