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大阪闇金のkuuのレビュー・感想・評価

大阪闇金(2021年製作の映画)
2.5
『大阪闇金』
製作年2021年。上映時間100分。

大阪・西成区の闇金業で働く若者の姿を通してってチラチラ風景写ルンですで、闇金に群がる人々の悲哀や狂気じみた人間関係を描くハードボイルドってか、ソフトボイルドドラマかな。
監督は石原貴洋。
主人公の杉村役を柾木玲弥が演じ、杉村を闇金の世界に導くベテラン社員の酒井役を中野英雄が演じる。
そのほかの共演に『吉本坂46』榊原徹士、元『HKT48』の兒玉遥ら。

傷害(ステゴロ)事件を起こし、ムショで2年満期を過ごした杉村春生は、出所後、スカウトされて南八番興業という闇金業者で働くこととなる。
ケンカ強いんやし、はじめにスカウトされたヤクザもんなっといたら良かったのに。
彼が選んだんは、コマイ客相手の金利はトイチ、面談をして借用書にサインさせて貸すという昔ながらのアナログな闇金業者で、面談・貸付は社長の南宗衛門と息子の南三蔵が行い、取り立ては杉村をスカウトしたベテラン社員の酒井が担当。
杉村は酒井たちから闇金業のノウハウを教わりながら、ってマトモに教えとらんし、振り込め詐欺同様に、学んでも仕方ない、さまざまな借主から取り立てを行うテク(テクって程ではない)。
徐々に仕事の要領を得ていく杉村は、闇金業を通して、社会や人間の深い闇を知ることになる。

なんか、主人公が虎の威を借る狐如く偉そうになってくのは胸糞でしたし、内容が中途半端でプチ糞でした。

因みにステゴロとは、『エモノ(武器)を持たずに素手で行う喧嘩・殴り合い』ちゅう意味で用いられる俗な表現です。
徒手空拳。 素手喧嘩。 喧嘩沙汰においては刃物など何かしらの武器を持った方が有利になりやすいが、武器を携えて喧嘩に臨む姿勢を卑怯とし、これに対してステゴロで挑む姿勢を勇武とする風潮がある。

Vシネマ愛好家ならお馴染みのヤミ金を舞台に繰り広げられるサクッと短いドラマでした。
また、余談ながら、ヤミ金とは、貸金業の登録の有無にかかわらず、刑罰が課される出資法の上限金利を超える金利で金銭貸付を行う違法な金融業者。 一般の消費者金融会社やクレジット会社の返済がほぼ毎月1回行われるのに対して、ヤミ金の返済は、多くが1週間や10日ごとに1回となっている。本作品は10日で1割の利子がつくトイチ形式のヤミ金)
Vシネマ愛好家じゃなく、ヤミ金とは?って方なら多少の驚きあるってかマジにこんなんあるんかい!って世界のお話にで、ヤミ金のお話に多少馴染みのある人でも、ノウハウの多少のアップデートが見られるとは思いますが、なんせ薄っぺらい。
例えば、昔ならゼニ借りて返せないモンの相場は、女子なら性風俗への斡旋(要は沈める)が、主だった返済方法でしたが、今作品では特殊清掃員の斡旋に変わってた。
と、まぁこないなアップデートは見られましたが、推理小説や手品のネタのように後は、色付けて焼き回してる感じが強い作品です。
本作品でゼニ借りとんのは、町工場のボンボン息子の方やし、女子の斡旋ではなく、ボンクラ兄ちゃんの沈める方法のアップデートも描いては欲しかった(主人公をイジメとった張本人なんやし)

作中(残り5、6分くらい)、南三蔵に債権者(公務員)のゼニを用立てて貰うように酒井が頭下げる場面がある。
南三蔵は、
『ヤミ金をつまんどるアホに400(万円)貸すアホがどこにおるんですか?相手は国家権力笠に着た小役人。
しんどなったらすぐ謳う(告げ口する)。
保身でだれでも売りよる、義理も仁義もない温い生き物ですわ。
そんなもんの不正に関わったら、まずはろくなもんになりませんよ。  
お役所云うたら隠蔽体質の最たるもの。
ヤバなったら端から切れるもん切って自分の組織守るの躍起ですわ。』
と、こないなん古参のヤミ金のオッサンが若いもんに啖呵切られるようじゃ終わってる。
あ!この後、実際、すぐに作品は終わりましたが。。。
可もなく不可もなく作品でした。
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