てる

モンタナの目撃者のてるのレビュー・感想・評価

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)
3.7

中々面白かった。
『ウインド・リバー』の監督だったのね。どうりで社会派ぽいテイストだと思った。
中身はアクションだ。殺し屋から逃げる子どもを助けるという使い古したありがちな話しだ。でも、殺し屋がスタイリッシュで、本当に実現してそうなリアリティーがあるし、子どもを助ける為に奮闘した3人にも無理がない。
いやもちろんフィクションならではの脚色はある。エンターテインメントとして客を飽きさせないように趣向を凝らしてある。そのため、女性2人が強すぎるとかそういったツッコミは踏まえた上で敢えて、脚本に無理がなかったと言っておく。

殺し屋の2人はだいぶやり過ぎだと思う。大規模な山火事を起こしたり、警察官を殺めたり、関係のない人をバッタバッタと殺しまくったりと、かなりやり過ぎている。だが、切羽詰まっているのが伝わってくる。だからこそ、無茶な行動をしているのもわかる。
元々は警察やら軍隊にいたのだろうか。訓練を積んだ人間ではあるのはわかる。そのプロが切羽詰まるとこういう行動に出るのかもしれない。冷静なのに、冷静な判断が出来ていないのが、妙にリアリティーを感じた。

今回は女性2人が大活躍の珍しいタイプのアクションスリラーだった。保安官の旦那にもう少し活躍してほしかった所だが、そこは監督の意向なのか、まさか妊婦さんが事件を半分解決するとは思わなかった。
この奥さんは一体何者だったのだろうか。とんでもない度胸と実力の持ち主でした。かっこ良かったね。

そして、アンジー。おかえりなさい。やっぱりあなたはアクションが向いています。
セクシーでカッコいい姿はいまだ健在でした。
今回の彼女の役どころは、心に傷を抱えた森林消防隊員。完璧な超絶カッコいいお姉さんではない。そこが今回の面白い所だ。傷があるからこそ少年を助けたいと強く想うわけで、それこそ命を懸けて彼を救おうとした。
消防隊員だからこそ、普通の一般人よりは戦闘能力が高いのも言い訳作りになっている。それにしても強すぎるとは思うけど。

新しい時代のアクションスリラーって感じだった。一昔前は、シュワちゃんやらセガールやらがこの手の作品で主役を張っていたであろうが、現代では女性なのだ。それもまた時代の流れなんだろうなぁと思う。
エンターテインメントなんだけど、どこか社会性もあるし、大人のアクション映画という謎のジャンルとして別けておこう。
てる

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