Kun

偶然と想像のKunのレビュー・感想・評価

偶然と想像(2021年製作の映画)
4.5
他人の身体を「借りる」だったり、「通す」ことで、深淵から生まれた感情のようなものが、その人の声として発せられることで、感情を持った言葉になる。この言葉は受け手の過去や記憶を呼び起こして、そこから応答した行動を立ち上がらせる。そうしたスクリーンの中で連続して起こる会話劇が、満員の観客の身体にスルリと入ってくる。その時各々異なった記憶を頭の中に浮かべる。そうして映画が終わった後は思い思いに感想を語る。その感想には個々の過去の体験がベースにあって、その上に映画内で繰り広げられた会話が載っている。だからそこにある語りは1人1人言葉使いも、内容も全然違うのだと思う。そうして2021年12月25日の14:00の回を観にきた偶然その場に集まった観客たちの「その後」を想像した。
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