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対峙のriverのレビュー・感想・評価

対峙(2021年製作の映画)
4.0
一つの部屋で二組の夫婦が対峙する密室劇。舞台となる部屋にそれぞれの夫婦が集まるまでの導入が秀逸で、部屋の準備をしているだけなのにヒリヒリするような緊迫感が伝わり、これから行われる話し合いの難しさ、繊細さが上手く伝わってくる。4人の話し合いは礼儀正しく、穏やかに始まるが...。

リアルタイムでドキュメンタリーを観ているような感覚で、ストーリーがどこへ転がっていくのか読めず、4人の感情をひたすら見守るひと時だった。(4人の俳優が上手すぎて、共感よりはカルテットの名演に耳を傾けているような感覚だった)

被害者の母役マーサ・プリンプトンは、80・90年以降は、あまり映画には出ていなかったようだけど、彼女の抑え込んだ怒りの表出から物語が動き始めたし、他の3人の演技と比べても遜色なかった。80年代にスクリーンで観ていた俳優に再開できるのは、本当に嬉しい。グーニーズ繋がりでキー・ホイ・クァンの映画も楽しみ。
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