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対峙のotayuのネタバレレビュー・内容・結末

対峙(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

加害者家族と被害者家族が対峙して話し合う、というとんでもない設定の映画。だけど、良かった。という言葉が適切なのかわからないけど、すごい興味をひかれるテーマだった。
なぜなら、日本だと絶対やらないと思ったから。日本だったら加害者=悪、被害者=善、となってしまうので。
だから、2組の両親の気持ちの動きに興味があり、どのような話が展開されるのか、感情がどう動くのか、注目した。

話の流れとしては、序盤はどっちが加害者、被害者かわからないまま進む感じが興味を惹き、それがわかった後は、加害者家族が息子がサイコパスではなかったか、それに気づけなかったか、そしてあなたはなぜ反省していないのか?と、攻撃される。

そのあと、「価値」の話になり、最後は、「あなたたちを赦せば あの子が消えると思った」から、罰を受けて欲しい、と思っていたけど、それは違うと思った。
「あなたたちを赦します」で締められていく。

最後、加害者側の母の告白で、それがおそらく、被害者家族が知りたがった「彼がモンスターになった瞬間」だったんだろう。

彼らの出した結論は、正直、わからない。ただ、最後の母の告白は良かった。

また、監督インタビューの、スピリチュアルなもので全て解決できないが、きっかけとしては良い、というのはたしかにそうだと思った。場所を教会に選んだこと、スタンバイの様子などもリアリティの担保としてよかった。
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