このレビューはネタバレを含みます
73分でこの話、流石。
趣深いショット多数。
窓の外を眺める母と横桟にピッタリ収まったタイトル、運転する母の横顔と、後部座席からお菓子を食べさせパックジュースを飲ませ母の首に腕を回しハグをする、パドルボールの打ち方を覚える、森の中で赤いセーターを着た少女が手を振る、父のひげを剃る、勢いよくクレープを空中に放り投げる、行儀悪くスープを口から吐く、バースデーソングをアンコール・リクエスト、室内と森の中で占められた「浅い」ショットが続いたのちに音楽と空と湖とともに「深い」ショットが画面に現れる瞬間に心が洗われる。
ちゃんと言えたau revoir、並んで床に胡座で座る、名前を呼び合う。
もしかして、セリーヌ・シアマは横顔を美しく撮るのがとても上手なのではないか?
きっとそうに違いない。